宇宙開発事業団
本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。
■ 打上げ:2003年2月2日
■ 回 収:2003年5月4日
・ GCF結晶化装置基本性能の検証と技術課題抽出
・ STS-107宇宙実験との比較(蒸気拡散法 vs 液液拡散法)
*スペースシャトルコロンビア号事故により、比較検討できなかったが、試料の結晶化有無は確認機能、結晶成長、立体構造解析、医薬品開発への応用などについて学んでもらうことを目的とする。
● 搭載タンパク試料数: 36種類
● 宇宙実験用に提供されたタンパク質の特徴(22種類)
| アモルファス形状 | タンパク質分子が集合する速度が速く、結晶構造を組む時間が充分でない。 | 針状結晶 | ある方向性に偏り針状に結晶が成長する。 |
|---|---|---|---|
| 結晶が大きくならない | 微結晶は生成するが、それ以上成長しない。 | 分解能が低い | 結晶は得られるが、分解能が非常に低い。 |
| クラスター形成 | 数個の結晶が集合し、クラスターを形成する。 | その他(板状、再現性なし等) | - |
● STS-107宇宙実験との比較実験
(財)大阪バイオサイエンス研究所、味の素(株)、茨城大学、福井県立大学、名古屋大学
| 構造解析の有無 | 参加機関 | 搭載タンパク質(種類) | 宇宙での結晶生成の結果(種類) | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単結晶が生成 | 何らかの結晶が生成 | 結晶生成無し | ||||
| 地上で構造解析がなされていないタンパク質 | 地上では結晶が得られていなかったもの | 理化学研究所 | 11 | 3 | 5 | 3 |
| 地上で結晶は生成するがデータを取得できる結晶にならなかったもの | 理化学研究所 | 11 | 1 | 4 | 6 | |
| データ取得はできるが構造解析に十分な分解能のデータが得られなかったもの | 理化学研究所 | 5 | 4 | 0 | 1 | |
| (小計) | 27 | 8 | 9 | 10 | ||
| 既に構造データが得られているタンパク質 | 理化学研究所 | 2 | 2 | 0 | 0 | |
| STS-107テーマより提供 (味の素(株)、茨城大学、大阪バイオサイエンス研究所、名古屋大学、福井県立大学) |
6 | 4 | 0 | 2 | ||
| NASDA | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
| (小計) | 9 | 7 | 0 | 2 | ||
| (合計) | 36 | 15 | 9 | 12 | ||













相互の実施事項及び役割分担を明確にした共同研究体制を組み、成果は相互に分担する事項について単独で所有する。
| 利用機関 | ・蛋白質試料の準備 ・蛋白質結晶の構造解析による結晶特性の評価 |
|---|---|
| NASDA | ・結晶化条件の検討 ・微小重力環境での実験装置の整備及び打ち上げ、軌道上運用、回収作業 |
| 利用機関 | ・蛋白質の発現・精製法 ・蛋白質結晶の構造及び座標データ |
|---|---|
| NASDA | ・結晶化条件の検討システム技術 ・軌道上結晶生成システム技術 |
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