プレスリリース

このプレスリリースは宇宙開発事業団(NASDA)が発行しました

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宇宙開発利用における産学官連携の取り組み

平成15年4月16日

宇宙開発事業団

本日開催された宇宙開発委員会において、下記のとおり報告をいたしました。

1.宇宙開発利用の課題と解決への糸口

課題

産学官連携の柱
研究開発成果が宇宙利用促進や新産業創出に結びついていない 連続性と発展性のあるニーズ先導型事業の創出
  • 宇宙へ参加を容易にし、宇宙開発の魅力を増大
  • 継続的かつ迅速な実証機会の提供等による産業競争力強化
実利用実証機会が乏しく、我が国宇宙産業の国際競争力が不足 知的財産等の利用・移転促進
  • 技術開発成果の移転促進(スピンオフ)
  • 知的財産、地球観測データ、試験設備等を活用した産業育成支援
宇宙開発利用の目標が、研究開発機関、利用者(機関)、産業界の間で十分に共有されていない 産学官連携プロジェクトの推進
産学官が自立したパートナーとして、ロードマップを共有しつつ、プロジェクトを着実に推進

2.産学官連携の実施事項

連続性と発展性の
あるニーズ先導型
事業の創出

ニーズ先導型事業の創出

  • ニーズとシーズとの橋渡し
    例: 1.利用拡大のための産学官連携「共同センター」(仮称)を設置し、軌道上の衛星を用いた利用実験などを通じて技術的実証性を提示
    2.産業界のニーズと新機関のシーズを適合させるマッチング・コーディネータを招聘し、潜在的ニーズの宇宙開発利用への取込みを促進
  • 宇宙への参加を容易にする仕組み(オープンラボ)の構築
    例:「宇宙開発ベンチャー制度」に加え、新機関、大学・研究機関、産業界のチームによる「宇宙連携オープンラボ」(仮称)を設置し、将来の宇宙産業の芽を育む。宇宙利用拡大のための公募も実施。
  • 地域拠点の整備等
    例:関西拠点を設置。マッチング・コーディネータの配置、小型衛星試験用施設・設備の設置により、地域企業の宇宙開発利用への参画を促進するとともに、宇宙開発利用を通じた地域企業の振興に貢献。

産業競争力の強化を指向した共同事業を創出

  • 継続的かつ迅速な宇宙実証機会の提供等
    例:小型衛星等による宇宙実証システムの整備と搭載機会の確保
  • 先端的宇宙用機器の産業界との共同研究・開発
知的財産等の
利用・移転促進

知的財産の活用拡大

  • 知的財産の非宇宙分野での活用(スピンオフ)を促進
    例:産学官連携部に知的財産活用の専任組織を置き、事業成果の非宇宙分野での応用(=スピンオフ)を加速
  • 知的財産(特許、地球観測データ等)の実用化や利用開拓を推進するための共同研究を実施

知的財産の創造

  • 利用ニーズを把握のうえ、研究に反映
    例:特許コーディネータの招聘により産業界等のニーズを把握し、新機関の研究開発活動において産業の創出や競争力強化を目指し知的財産を創出。

産業界の意向を考慮した施設設備の共用促進

  • 大型試験設備の外部利用促進、利用者へのサービス向上(同種の施設設備の互換性の向上、企業秘密の保持等)
産学官連携
プロジェクトの推進

産学官連携ロードマップの共有と利用ニーズの反映

  • 産業界、新機関、利用者(機関)が、将来の宇宙開発利用に関する活発な議論を通じ、共通の理解を得て、新規プロジェクトを創出すべくロードマップを構築し共有
  • プロジェクトをロードマップ上に位置付け、利用ニーズにマッチするよう計画毎の目標を定めて計画を推進

(参考資料1) 宇宙利用拡大のための方策

(参考資料2) 継続的な新規事業創出のイメージ

(参考資料3) オープンラボの概要