運用終了

プロジェクト概要


プリント

環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)は、1996年に打ち上げられた地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」(ADEOS)の後継機で、2002年12月14日にH-IIAロケット4号機で打ち上げられました。
「みどりII」は、世界各地での異常気象、南極のオゾンホールなど、地球規模での環境変化の実態把握のための観測が目的です。 観測センサは植物や水、大気などが反射したり放射したりしている光や電波を宇宙から捉えるもので、異なった波長の光や電波に感度を持つセンサを組み合わせることで、地上の状態をより正確に観測することができます。「みどりII」には、大気中の水蒸気量や降雨の強さ・海面水温などの水に関するさまざまな物理量を昼夜の別なく観測する高性能マイクロ波放射計(Advanced Microwave Scanning Radiometer: AMSR)、海域・陸域・大気の多様な物理量を観測するグローバルイメージャ(Global Imager: GLI)の2つのセンサがあります。とりわけGLIは、地球表面からの反射光・熱放射を利用して海面水温、雪氷、雲、大気微粒子、森林、海洋の植物プランクトンなどの地球規模の分布を観測することが可能で、装置の性能は世界最高水準といわれています。さらに「みどりII」には、南極・北極上空の成層圏オゾンを観測する改良型大気周縁赤外分光計II型(Improved Limb Atmospheric Spectrometer-II: ILAS-II)、海上の風速・風向を測る海上風観測装置(SeaWinds)、大気微粒子などを測る地表反射光偏光観測装置(Polarization and Directionality of the Earth's Reflectances: POLDER)、データ収集システム(Data Collection System: DCS)など、国内外の機関から提供されたセンサも搭載されています。

2003年10月25日「みどりII」の異常発生を受け、2003年10月31日の時点で衛星との交信ができていないこと、及び衛星状態の解析結果を受け観測運用が復旧する可能性が極めて少ないと判断されました。


AMSRが捉えた日本列島
北海道東方沖の低気圧の渦

主要諸元

国際標識番号 2002-056A
打ち上げ日時 2002(平成14)年12月14日 10:31
打ち上げロケット H-IIAロケット4号機
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
形状 約4m×約4m×約6m
展開型太陽電池パドルを有する箱型
重量 約3,700kg
軌道 太陽同期準回帰軌道
軌道高度 約803km
軌道傾斜角 約99度
軌道周期 約101分(回帰日数4日)
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式