開発終了

プロジェクト概要


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わが国初の本格的月探査衛星「LUNAR-A」は
月の誕生の秘密を探ります

「LUNAR-A」は、日本初となる本格的月探査ミッションです。月の探査というと、アメリカや旧ソ連によるミッションを思い浮かべる人も少なくないでしょう。しかし、これまでに行われてきたのは、主として月の表面の地形や岩石など、地質の調査でした。それに対して、「LUNAR-A」は月の内部を直接探査するので、月の起源と進化を研究するためのデータが数多く得られるものと期待がかけられています。
アメリカのアポロ計画の場合、できる限り衝撃の少ない方法で月面に着陸機を降ろすため、探査機は月に軟着陸しましたが、「LUNAR-A」の場合は月面に探査機を直接落とす方式が採られているのも特徴です。この方式であれば、減速するためのロケットや制御装置も小型で済み、探査機全体も小型化が可能です。


切り離された観測装置が月の内部を探査
母機は月面の様子を撮影

実際に月内部の探査を行うのは、高さ約80センチ直径16センチほどの「ペネトレータ」と呼ばれる槍型のケースに入った観測装置です。これを月面に突き刺すように落下させ、地中の約2メートル前後の深さに潜り込ませます。「ペネトレータ」には月震計(地震計)と熱流量計が搭載されており、2本のペネトレータによって約1年間、月の内部構造を調査することになります。「LUNAR-A」の母機は、月周回軌道上を回り、ペネトレータからの観測情報を集めながら、搭載されているカメラ(LIC)によって月表面を撮影します。このカメラは、将来の探査に必要とされる光学航法の技術情報を得ることが主目的ですが、地形などの情報も期待されています。