プレスリリース

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超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)
広域電子走査アンテナによる622Mbps衛星データ通信に成功

平成20年5月16日

宇宙航空研究開発機構
情報通信研究機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)は、5月12日に共同で実施した「きずな」初期機能確認作業において、「きずな」に搭載した広域電子走査アンテナ(Ka帯アクティブフェーズドアレイアンテナ)(*1)を使用したNICT鹿島宇宙技術センター大型地球局(アンテナ径約5m)と北海道釧路市の超高速小型地球局(車載型:アンテナ径約2.4m)との622Mbpsの高速データ通信に成功しました。これは広域電子走査アンテナを使用した通信の世界最高速度です。
 特にKa帯アクティブフェーズドアレイアンテナは、日本国内のみならず地球上のほぼ3分の1の地域を通信範囲とし、アジア太平洋地域にブロードバンド環境の提供を可能にします。都市部との情報格差解消や離島での自然災害時の回線確保に向け、「きずな」に搭載された同アンテナを使い、電波の方向を自由に、かつ高速制御するための技術実証が期待されています。


アクティブフェーズドアレイアンテナ通信概略図

*1)約2ミリ秒で電子的にビームの方向を変えることができ、地球上のほぼ3分の1の地域を通信範囲とします。