理事長挨拶・定例会見

平成19年12月
平成19年12月 理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします。
日 時:2007年12月13日(木) 13:30〜14:15
場 所:東京事務所プレゼンテーションルーム

トピックス
・アジア太平洋地域宇宙機関会議「APRSAF」の開催について
・インドネシア航空宇宙研究所(LAPAN)との間の宇宙分野での協力協定について
・月周回衛星「かぐや(SELENE)」について
・太陽観測衛星「ひので(SOLAR-B)」について
・陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」について
・超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」について
・JAXAタウンミーティングについて
・STS−122の打ち上げについて
・国際始原天体探査ワーキンググループ(IPEWG)開催について
・今後のトピックスについて

アジア太平洋地域宇宙機関会議「APRSAF」の開催について

11月21日から23日にインド・バンガロール市で第14回目のアジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)を、文部科学省・宇宙航空研究開発機構とインド宇宙研究機関(ISRO)との共催により開催しました。
今回、JAXAは新しい提案をさせていただきました。地域のニーズに応える小型衛星に関する共同研究と、そのための技術開発を通じて衛星技術者を育てようという計画です。人材育成の機会としてパイロットプロジェクトを日本で実施しようと提案し、関係各国から賛同を得ました。2年前には地球観測衛星による防災分野での協力ということで、センチネルアジアという合同的な作業をしましょうと提案しまして、すぐ「だいち」を使って実施しました。これは2年経ちました。今回その総括を行い、19カ国から大変高い評価をいただき、第二期のセンチネルアジアを行うことにしました。今までは、「だいち」の画像しかありませんでしたが、インド、タイ、韓国の各国が衛星画像を提供してくれることになりました。一層充実することと思います。
インド宇宙研究機関(ISRO)本部は、宇宙開発に大変熱心でして、積極的に新しい衛星組立工場を造ったりしておりますし、APRSAFもこけら落としをかねた新しい建屋を会場として開催されました。バンガロール自体は既にIT産業が盛んですが、街はこれから発展するのかなという印象です。ISROには訪印を歓迎していただき、新しい衛星組立工場や打ち上げ射場を見せていただいたのですが、衛星組立工場は、JAXA筑波宇宙センターの試験設備に匹敵すると思えるほど立派なものでした。ロケット打ち上げ射場は元々無人島だったところだそうですが、現地に2,300人の職員の方が今は暮らしておられ、実際のエンジニアは約1,000人、そのサポートが1,300人だそうです。島には生活のため病院や学校もありました。更に、大型のロケット射場を作るとも聞いております。


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インドネシア航空宇宙研究所(LAPAN)との間の宇宙分野での協力協定について

インドネシア航空宇宙研究所(LAPAN)と協力協定を調印しました。私がJAXA理事長に就任してから、インド、韓国、ベトナム、に次いで4つ目になるアジアとの協力協定となります。アジア各国ともに、宇宙分野での研究開発に目覚めて来たと言えるでしょう。今後はインドネシアとの協力関係も強化することになるでしょう。


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月周回衛星「かぐや(SELENE)」について

毎回、宇宙開発委員会で報告させていただいてますが、かぐやの初期機能確認が、ほぼ終わりました。初期機能確認が終わると科学的観測に入ります。がぐやに搭載されている14種類のセンサも順調に動いているようですから、これから約10ヶ月間かけて、新しい発見ができれば良いなと思っております。


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太陽観測衛星「ひので(SOLAR-B)」について

12日(水)の宇宙開発委員会で報告させていただき、新聞にも掲載していただきましたが、「ひので」による色々な科学成果が出ておりまして、太陽観測の成果の論文も何十件も出しております。「サイエンス」という科学誌で9編の論文を載せた「ひので」の特集を組んでいただきました。海外の著名な論文誌に論文が掲載される事は大変喜ばしいことです。


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陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」について

「だいち」を打ち上げてから2年近くになりますが、インターネットポータルサイト「goo」で提供中の「goo地図」において、「だいち」が撮影した衛星画像を使った地図の提供が11月29日から開始されました。


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超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」について

来年の2月に打ち上げ予定の「きずな」について、打ち上げ後の通信実験と、今後の利用のあり方や新たな利用法の啓発を目的に、12月4日にシンポジウムを開催しました。予想以上に沢山の方が参加され、「きずな」をどう活用するかという議論を行いました。約220名の方に参加していただき、大変結構なことだと思います。打ち上げを成功させなければと改めて感じました。


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JAXAタウンミーティングについて

12月8日に鹿児島県の肝付町でタウンミーティングを開催しました。今年度で8回目の開催となりましたが、少しでも国民の方々の理解を得られればと思っております。


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STS-122の打ち上げについて

来年1月2日以降 (注)にスペースシャトル「アトランティス号」(STS-122/国際宇宙ステーション組み立てミッション(1E))が予定されています。この打ち上げの結果をうけて、日本実験棟「きぼう」(JEM)の打ち上げ予定日が決まります。現在、来年2月14日以降の打ち上げを目標にしています。
(注:記者会見後の12月14日、1月10日を打ち上げ予定日とする旨、発表された。)


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国際始原天体探査ワーキンググループ(IPEWG)開催について

太陽系の小天体の探査計画に関して国際的な協力関係を構築する目的で、国際始原天体探査ワーキンググループ(IPEWG)という会合が日本で開催されます。第1回目は2008年1月14日から16日に沖縄県名護市の万国津梁館にて開催されます。


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今後のトピックスについて

・ JAXAタウンミーティングin新潟(1月19日:NSG学生総合プラザ)


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