2006年9月23日打ち上げ > 運用中

プロジェクトトピックス


2012年11月19日 更新

「ひので」が捉えたオーストラリア皆既日食

太陽観測衛星「ひので」はオーストラリア皆既日食の際に月に隠されてゆく太陽をX線でとらえました。
2012年11月14日午前5時25分(日本標準時)ころに「ひので」がオーストラリア北部上空を飛行している際に、「ひので」に搭載されているX線望遠鏡(XRT)で撮影しました。月が太陽の南から現われ、北西に向けて太陽面を横切っていき、太陽コロナを背景に黒い月が通過していく様子がとらえられています。
「ひので」から見た日食の最大食分は99.3%で、皆既食帯に入る一歩手前でした。「ひので」の飛行速度は時速約27,000kmと非常に早いため、部分日食の開始から終了までが、わずか約17分しかありません。「ひので」は、今回公開した日食以外に、約4時間後に南米上空で再度日食帯に遭遇しましたが、それも部分日食でした。
今回の皆既日食においては、「ひので」に搭載された極端紫外線分光撮像装置が、コロナから発せられる紫外線輝線を観測し、オーストラリアで行われた日食観測を支援しました。

チームリーダが語る私たちのミッション


「ひので」は3台の先進的な望遠鏡を搭載し、太陽表面の磁気的な活動と、対応するコロナの活動を同時に、詳しく観測することで、太陽の謎に迫るミッションです。
続きを読む


プロジェクト概要


プリント

太陽の影響を究明する観測衛星「ひので」

太陽観測衛星「ひので」(SOLAR-B)は、「ようこう」(SOLAR-A)の後継機です。日本・アメリカ・イギリスにより共同開発され、2006年9月23日6:36(日本標準時)、M-Vロケット7号機で内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
開発における各国の役割として、衛星システムはJAXAおよび三菱電機が担当。可視光望遠鏡についてはJAXAおよび国立天文台が望遠鏡本体を、アメリカのNASAが焦点面検出装置を製作。X線望遠鏡についてはNASAが光学系、JAXAがCCDカメラを製作。イギリス(PPARC)は、NASA・JAXAと共に極紫外線撮像分光装置を製作しました。


主な科学的目的は、太陽コロナで起こる
活動現象の謎とメカニズムの解明

太陽は詳細な観測ができる唯一の恒星です。これまでの観測データの蓄積と新たな観測データと併せて分析・研究することで、あらゆる現象のメカニズムをより詳しく知ることができ、またそれを知ることが、宇宙に起こるさまざまな現象を解明するカギとなるのです。
「ひので」には、可視光・X線・極紫外線の3種類の望遠鏡が搭載されます。太陽大気中の磁場分布や電流分布、速度分布の精密な観測などを行うことで、太陽での爆発のメカニズムを明らかにし、太陽が地球に及ぼす影響の予測に大いに貢献すると期待されています。また「ひので」は、1年のうち9カ月間にわたり地球の陰に入らない軌道をとるので、長期の連続観測が可能で、最低でも3年間は太陽観測を行う予定です。


主要諸元

国際標識番号 2006-041A
打ち上げ日時 2006(平成18)年9月23日 6:36
打ち上げロケット M-Vロケット7号機
打ち上げ場所 内之浦宇宙空間観測所
形状 約1.6m×1.6m×4.0m
太陽電池パドルの端から端まで約10m
質量 900kg
軌道 円軌道(太陽同期)
軌道高度 680km
軌道傾斜角 98度
軌道周期 96分