宇宙基本法が施行され、担当大臣が決まり、宇宙開発戦略本部も発足しました。
宇宙開発戦略本部に期待するのは、まず最初に安全保障をどう取り扱うかという点です。次に、宇宙利用の拡大です。JAXAとしてもこれまで宇宙利用の拡大に取り組んできました。今後も宇宙利用の拡大に期待しますが、宇宙利用を発展させるためには、民間が参入し、宇宙開発の成果が社会に還元されなければ産業としてなりたちません。最後は、将来の有人宇宙活動を日本はどう取り組むかということでしょう。
宇宙開発戦略本部が、来年に基本計画を策定すると聞いているので我々は見守りたいと思います。
平成21年度の概算要求が確定し、2,347億円と、前年度より30%アップしています。これは宇宙基本法も施行され、今後の宇宙開発の拡大に期待して、我々が予算を要求しているということです。年末に向けてどのように予算を獲得していくかが、今後の課題です。
第1期中期計画の最終年でした。平成19年度決算が終了しました。予算の効率的な執行を図ってきた結果、5年間の運営交付金の執行残は約200万円になりました。大変綺麗な数字になったなという印象です。これも職員の努力の証だと思います。
先日、我々は独立行政法人としての評価を評価委員会から受けました。評価は、Sが12項目、Aが55項目。Bが2項目でした。概ね良い評価をいただいたと思っています。JAXA発足後から5年間を振り返ると、出発当初にロケット、衛星の事故があり、先行悪かったけれど、ここまで成果を上げることができました。今後、この成果に負けないような成果を上げたいと思ってます。
宇宙機関長会議(HOA)がフランスのパリで行われました。今後のISS計画のことを議論しました。その中で、ISS計画の継続を2015年以降も各政府機関へ働きかけようということで合意しました。具体的な話は、今後決めていきます。
STS-124の宇宙飛行士達が来日し、東京、つくば、名古屋で帰国報告会を開催しました。たくさんの方々に、宇宙飛行士達のお話を聞いていただきました。
「きぼう」での利用研究について第1期は約100項目の実験を行います。8月22日は、「きぼう」での初の科学実験となるマランゴニ対流におけるカオス・乱流と遷移過程の実験を行いました。私も実験を見せてもらいましたが、有効な実験結果を得たと河村先生の評価がありました。
第2期は、既に募集は済んでいまして、実現に向けて頑張っています。今後の「きぼう」の成果が期待されるところだと思います。
963名の募集のあった宇宙飛行士の募集ですが、現在選抜を行っており、既に書類選考で230名の方に絞りました。昨日、第一次試験の結果が出まして、50名の方が合格しました。これから第二次試験に入ります。結果については、当初予定通り、来年の2月には確定させます。
航空機による学生無重力実験コンテストを行います。今年も5件のテーマを選定しました。
陸域観測技術衛星「だいち」の画像は、災害観測で役立っています。中国四川省の大地震時の画像も、7月28日に中国政府防災機関から感謝状をいただきました。海外でも「だいち」の画像が使用されています。
8月31日に「きく8号」を使い、東京都・中央区・江東区合同総合防災訓練に参加しました。
9月10日に北京でのオリンピック開催期間中に、NHKとの共同で「きずな」を使っての、ハイビジョン伝送実験を行い、成功裏に終ったことを宇宙開発委員会に報告しました。
国際宇宙探査協働グループ(ISECG)会合が、モントリオールで開催されました。来年行われる第3回目の開催は、3月に日本で開催されることになりました。第3回目で具体的な結論がでてくることを期待しています。
今後の宇宙探査の計画を作成していくための、宇宙探査委員会を設置しました。外部の有識者とJAXAとのコミュニティーの場としての委員会です。宇宙科学研究本部に設置されている理学委員会、工学委員会との横並びです。宇宙探査委員会は合計40名で外部の方が20名、内部20名で構成されています。
9月14日に「かぐや」の打ち上げ1周年を記念し、日本科学未来館でも記念イベント行う予定です。
観測ロケットS-520-24号機を内之浦宇宙空間観測所から8月2日に打ち上げ、無事成功しました。搭載された2種類の結晶成長実験の機器は全て正常に動作し、良好なデータを取得しました。今後、成果についてはリリースされると思います。
ロケットの第一段目のエンジンの燃焼試験を行ってきましたが、こちらも成功裏に終わりました。今後は実機を作り、種子島で燃焼試験を行う予定です。
LNGの燃焼試験の第二ステージ燃焼試験は、単体燃焼実験を9回行い、成功裏に終わりました。今後はより実機に近い燃焼試験を行うことになります。
8月29日、9月5日に大気球の放球を行いました。大気球の実験は北海道大樹町で行いましたが、2回は無事成功に終わりました。他にも科学実験用の放球を予定していましたが、上層風の状態が良くないので、中止にしました。別途、天候の都合のよい時期を探したいと思います。
第25号科学衛星(ASTRO-G)の開発移行を、8月6日に宇宙開発委員会より了承を得ました。また、8月20日に災害監視衛星システムの内のレーダー衛星も開発研究移行が認められました。9月3日に第26号科学衛星(ASTRO-H)も開発研究移行が認められました。
新たなメンバー15名で、外部有識者に客観的な視点からJAXAの経営全体についてのご意見を頂く経営懇談会を開催しました。こちらは年二回開催しますが、メンバーの方に、宇宙を知ってもらい、助言をもらうという事が狙いです。
JAXAシンポジウムを7月10日に実施し、また4回のタウンミーティングを実施しました。