理事長挨拶・定例会見

平成22年2月
理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします。
日時: 2010年2月10日(水) 11:00〜11:55
場所: 東京事務所プレゼンテーションルーム
司会: 広報部長 舘 和夫

トピックス

・陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による緊急観測について
・準天頂衛星初号機の愛称募集結果について
・衛星利用について
・H-IIAロケットについて
・宇宙科学研究関係について
・国際宇宙ステーション(ISS)関連について
・国際関係について
・シンポジウム等について
・今後の予定

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による緊急観測について

国際災害チャータからの要請があり、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を使ってハイチの地震に伴う緊急観測を1月14日と24日に実施し、観測データを提供しました。引き続き観測を続け、データを提供していきます。


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準天頂衛星初号機の愛称募集結果について

準天頂衛星初号機の愛称募集を行い、11,111件の応募をいただきました。第三者商標権との関係がないとの事で愛称は「みちびき」に決定しました。「みちびき」には328名の提案者があり、この提案者の方々には命名者として名付け親認定証を送ります。


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H-IIAロケットについて

H-IIAロケット6号機の固体ロケット(SRB-A)に問題があったことは記憶にあると思いますが、その対応策のため、9回の試験を行いました。ようやく目途が付き、固体ノズルの改良を行い、宇宙開発委員会に報告しました。これでSRB-Aに係る信頼性向上の開発が完了したと考えています。


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宇宙科学研究関係について

JAXAインターナショナルトップヤングフェローシップという制度を平成21年度から始めました。46名の応募があり、その内4名の研究者を採用しました。早い人は1月から着任しています。平成21年度分は終了しました。採用者は、今後3年間勤務していただくことになりますが、5年迄の延長が可能です。27歳から33歳迄の若くて優秀な方を採用しました。若きトップサイエンティストとして、宇宙科学の一層の発展と国際化に向けて 尽力してもらいます。かなり若くても成果を出している方ばかりです。引き続き平成22年度も公募する予定です。


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国際宇宙ステーション(ISS)関連について

ISSに長期滞在をしている野口宇宙飛行士が、利用実験などを実施しています。宇宙庭の植物実験(宇宙庭)などに引き続き、マランゴニ対流の実験を実施しています。教育イベント関係では、1月19日に北海道陸別市、釧路市の小中学生と交信し、1月28日には島根県浜田市の中学校とリアルタイムでの交信を行いました。


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国際関係について

第16回アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-16)が1月26日から28日までタイのバンコクで開催されました。今回で16回目の開催となりますが、過去最高の310名の参加人数となり、盛大に行われました。日本としては新たなアクションとして日本実験棟「きぼう」の利用実験をアジア各国にも開放するので利用してくださいと提案しました。必ずしも科学の実験に留まらず、文化面の実験も可能ですと話をしました。今後は、ワーキンググループで、積極的に話し合い、科学のみならず人文的な実験の試みを行い、関心を高めようと思います。これから積極的に利用案が出てきて対応できればと思っています。

また、各国の機関長が集まるこの機会に二つの協定の調印をしました。カザフスタンはバイコヌール射場があるところですが、その宇宙機関との協力協定を結びました。タイ地理情報宇宙開発機構(GISTDA)とは引き続き、リモートセンシングの協定を結びました。

NASAのチャールズ・ボールデン長官とのISS参加各国との間のマルチの電話会談を2月1日に実施しました。NASAの予算状況説明をいただきました。まず、ISSの延長を決めたということです。2020年までアメリカはISS計画を延長したと説明がありました。実際は“2020 and beyond”という言い方をしていました。それから、NASAが進めていたコンステレーション計画を取り止めること。有人打ち上げについて今後民間が行うという方向転換のため、民間で有人打ち上げを目指す5社との契約がされていること。そのような状況の中で、NASAから依頼されたのは、各国が早くISSの延長の方向性を決めてほしいと要請がありました。日本国内は政府の問題なので、速やかに対応していただきたいと思っています。


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シンポジウム等について

シンポジウム等、いろいろ実施しています。超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の国際シンポジウムを2月4日に科学技術館で開催しました。286名の方に出席していただき、関係国からのスピーチもありました。
「おおすみ」を打ち上げてから、ちょうど40年が経ちました。1970年に初めて打ち上げた人工衛星が「おおすみ」です。40周年を記念して「おおすみ」40周年記念シンポジウムを国立科学博物館で開催しました。121名の方にお集まりいただきました。


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今後の予定について

・「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動」シンポジウム(2月14日@東京国際交流館)
・若田宇宙飛行士と長期滞在クルーのミッション報告会(2月18日@大阪市常翔学園OITホール/2月20日@名古屋市科学館)