理事長挨拶・定例会見

平成24年4月
理事長定例記者会見 立川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします。
日時:平成24年4月12日(木) 11:00-11:45
場所:JAXA東京事務所 3Fプレゼンテーションルーム
司会:広報部長 寺田弘慈


トピックス

1.平成24年度年度計画と組織の改編について
2.国際宇宙ステーション(ISS)関係
3.衛星関係
4.その他
5.シンポジウム及びタウンミーティングなど
6.今後の予定


1.平成24年度年度計画と組織の改編について

平成24年度のJAXA年度計画が決まりましたので、3月31日に文部科学大臣及び総務大臣宛てに提出しました。本計画は「GCOM-W1(しずく)」や「HTV(こうのとり)3号機」の打ち上げ、「はやぶさ後継機(はやぶさ2)」のフライトモデル製作などが盛り込まれており、JAXAはこの年度計画に基いて事業活動を進めます。
また、組織の改編を行い、宇宙科学研究所について従来「13」に細分化されていた研究系を「5つ」の大研究系として再編しました。再編による研究活動の進展や新たな研究分野の創出を容易にすることなどが期待されます。また、国際宇宙ステーション(ISS)関連で、新たに「きぼう利用推進室」及び「有人宇宙技術センター」を設置し、ISSに関する活動の強化を目指します。航空部門では、複合材グループを「複合材技術研究センター」と名称を変更し、複合材研究開発の更なる推進を図ります。


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2.国際宇宙ステーション(ISS)関係

(1)平成24年度「きぼう」利用テーマの募集を開始しました。「きぼう」日本実験棟の利用推進を図るため、「生命科学分野」「宇宙医学分野」「物質・物理科学分野」について基礎研究に関するシナリオを策定し、各研究分野ごとに重点領域をまとめ、シナリオの目標を実現するための課題を募集します。(4月10日より公募開始)

(2)古川宇宙飛行士は、3月21日に徳島大学(徳島県徳島市)で開催された「第28次/第29次長期滞在クルーISS長期滞在ミッション報告会」に出席し、参加いただいた約770名の方に宇宙での生活や実験などについて報告しました。このミッション報告会は同月28日と29日にも行われ、28日の日立シビックセンター音楽ホール(茨城県日立市、参加564名)、29日の岩手県大槌町城山体育館(岩手県大槌町、参加80名)において、それぞれ古川飛行士による長期滞在ミッションの報告がありました。


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3.衛星関係

(1)3月30日、全球降水観測計画(GPM計画)の主衛星に搭載される「二周波降水レーダ(DPR)」が完成し、米国宇宙航空局(NASA)へ引き渡しました。2014年に日本での打上げを目指すGPM計画は、NASAが主衛星の開発を担当し、JAXAが主衛星に搭載するレーダ(DPR)の開発を担当するミッションです。

(2) 陸域観測技術衛星「だいち」の後継機、「ALOS-2」の打上げ時に相乗りする小型副衛星が決まりました。公募によって選定されたのは日本大学・東北大学・和歌山大学・(株)エイ・イー・エスが開発する4つの衛星で、最大でも約50kgという重さとなります。(※3月28日宇宙開発委員会に報告)


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4.その他

(1)4月2日より、インターネット等を利用した寄附金の募集を開始しました。JAXAの事業を応援してくださる皆様のお気持ちを広く受け入れるため、従来の寄附金制度を拡充し、インターネット等で簡易にご寄付いただけるようになりました。4月9日、9時30分の時点で942件/11,316,000円のお申し込みをいただいていますので、宇宙及び航空に対する国民の皆様の高いご関心・ご支援について大変嬉しく思います。

(2) 平成24年度科学技術分野における文部科学大臣表彰「科学技術賞(開発分野)」を受賞しました。
  ☆受賞(2件)☆
・業績名:宇宙と民生に共通的に利用できる耐放射線性集積回路の開発
      廣瀬和之准教授、齋藤宏文教授、(MHI黒田主任技師、石井主席技師)
・業績名:準天頂衛星初号機による高精度測位技術の開発
      本間正修 理事、寺田弘慈、稲場典康、野田浩幸、小暮 聡(旧準天頂プロジェクトチーム)

(3)JAXAのシニアフェローとして、新たに石川隆司前研究開発本部長を認定しました。この認定は、複合材分野において世界的に顕著な功績が認められた(国内外の著名な賞の受賞歴含む)ことによるもので、JAXAのシニアフェローとしては3人目の認定となります。
※JAXAシニアフェロー
・宇宙探査活動に関する事項
 川口淳一郎前はやぶさプロジェクトチームプロジェクトマネージャ
・人宇宙環境利用システムの将来計画に関する事項
 白木邦明前有人宇宙環境利用ミッション本部長
・航空宇宙における航空技術分野に係る研究開発事項
 石川隆司前研究開発本部長

(4) 全国を巡回して参りました小惑星探査機「はやぶさ」帰還カプセルの展示が、2012年4月3日を持ちまして終了しました。総計で約90万人もの多くの方にご覧いただいて大変盛況のうちに終えることが出来ましたこと、この場を借りて厚く御礼申し上げます


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5.シンポジウム及びタウンミーティングなど

国民の皆さまからのご理解とご支援を得るため、各地でシンポジウムや施設公開等を開催しました。

  • 3月12日に、慶応義塾大学三田キャンパス(東京都港区)にて宇宙法研究所開所記念シンポジウム「21世紀の国際宇宙法 −今後の宇宙活動をとりまく課題−」を開催し、174名の方に参加いただきました。
  • 3月17日に、かがみから航空宇宙科学博物館(岐阜県各務原市)にて第75回JAXAタウンミーティング in 各務原(岐阜県)を開催し、114名の方に参加いただきました。
  • 3月19日に、ジョンソン・スペースセンター(米国ヒューストン)にて星出宇宙飛行士によるJAXA主催の訓練公開がありました。翌日にはNASA主催のISS第32次/第33次長期滞在クルー打上げ前記者会見が開かれ、星出宇宙飛行士も参加しました。
  • 3月22日に、JAXA名古屋空港飛行研究拠点(愛知県春日井群)にて「名古屋空港飛行研究拠点と実験用航空機「飛翔」の披露(式典は愛知県との共催)」を開催し、81名の関係者が出席しました。
  • 3月22日に、ナディアパークデザインセンタービル(愛知県名古屋市)にてJAXA産業連携シンポジウム2012「航空機産業の基幹産業化に向けて」を開催し、434名の方に参加いただきました。この様子はインターネットでも生放送されて約1000件のアクセスがありました。
  • 3月22日に、UDXギャラリー秋葉原(東京都千代田区)にて「国際宇宙ステーション/『きぼう』利用成果シンポジウム〜上空400キロメートルから視た宇宙と地球、『きぼう』船外実験のはなし〜」を開催し、194名の方に参加いただきました。この様子はインターネットでも生放送されて約700件のアクセスがありました。

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6.今後の予定

  • 4月13日 「きぼう」日本実験棟における文化・人文社会科学パイロットミッション(第2期)活動報告会〜芸術表現が魅せる「宇宙」の可能性〜@インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京都港区)
  • 4月21日 JAXA宇宙航空最前線(ニコニコ生放送 ※注:インターネットによる動画配信)〜 星出さん、宇宙での仕事を教えて下さい (仮題) 〜【 14:00-15:00放送予定】
  • 4月28日 第76回JAXAタウンミーティングin杉並@杉並区立科学館(東京都杉並区)