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4.アジアでの取り組み

  ここ2年間、筆者は宇宙航空研究開発機構が事務局をつとめるアジア太平洋地域宇宙機関会議の宇宙教育啓蒙セッションの共同議長をつとめた。この期間に集めた情報は以下のようである。国によってその取り組みには大きな温度差がある。多くのアジア諸国の教育取り組みの特徴は洪水、降雨などの生活に密着したリモートセンシングを基本にしていることである。衛星データを解析できる技術者の養成が急務であり、子供たちへの宇宙教育には手がまわらない状況がある。まず日本がお手伝いできるところと言えば、既に進行しているリモートセンシング関係の訓練教育であろう。

 日本よりGDP 費で宇宙開発予算が多いインドでは、多くの子供用プログラムが国の費用で遂行されている。アジアの国々の修士課程終了学生を対象とした、毎年9ヶ月の集中プログラムなど、インドの宇宙教育活動は日本も参考にすべき所が多い。研究者、実業家で且つ政治家であったサラバイ博士の意思は脈々と受け継がれている。因みに大統領はやはり宇宙研究者のカラム博士である。

 最近設立されたマレーシア宇宙機関は科学者で初代ダイレクターのオツマン博士のもと宇宙機関設立当初より教育に重点を置いて活動している。



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タイのチェンマイにて行なわれた「第10回アジア太平洋地域宇宙機関会議」での集合写真(2004年1月14〜16日開催)
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