ご覧いただいているページに掲載されている情報は、過去のものであり、最新のものとは異なる場合があります。
掲載年についてはインタビュー 一覧特集 一覧にてご確認いただけます。


Q.この技術が地上での移動体通信や飛行機などの空間通信に利用されると思いますか?

応用可能だと思います。私たちは、衛星間通信にはある程度自信がありましたが、NICTと行ったような地上とのレーザ通信は、正直言って成功率が低いと思っていました。しかし実際にやってみると、東京という、空気が澄んでいなくて街が明るい悪条件の下でも通信が可能でしたので、天候に左右される面もありますが、地上でも実用化できると思います。また、「きらり」の技術を応用すれば衛星と飛行機などとの高速レーザ通信も実現可能だと思います。


Q.実用化にむけて、どのようなステップを考えていますか?

「きらり」と「アルテミス」は初めての実験であり、ファーストステップです。通信速度も50Mbpsでそんなに速くない速度でした。この次は、ギガbpsの通信速度になると思いますし、レーザ通信装置も小型・軽量化していきたいと思います。
今後「きらり」は、「アルテミス」との光衛星間通信実験や地上局実験の回数を重ねることにより様々なデータを蓄積し、次のステップに向けての研究を進めていきたいと思います
また、レーザ光による通信は、地球付近のみならず、深宇宙探査機や月面基地からのデータを中継衛星に送ることにも応用できると思います。そういった宇宙探査に利用できる通信装置も、今後研究していきたいです。
日本のレーザ技術は、世界でもトップレベルですから、常にトップでいられるように頑張りたいと思います。

城野 隆(じょうの たかし)
きらり(OICETS)主任開発員
熊本電波工業高等専門学校電子工学科卒業。1990年に旧宇宙開発事業団に入社。種子島宇宙センター増田追跡管制所勤務を経て、1993年4月にOICETSプロジェクト発足と同時に開発担当となる。光衛星間通信機器及び軌道上実験全般を担当。
back 1  2  3