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学生と議論する宇宙飛行士のクロード・ニコリエ氏(2003年10月16日) 写真 活動の第2は、宇宙開発に関係するさまざまな方々・団体のネットワークの形成・発展です。
 これまでの宇宙開発は工学系の学部で航空宇宙関係の学科を卒業した人々により、ほとんどが担われてきたと思います。日本の素晴らしい技術はその方々により培われてきたわけですが、活動の第1で述べたような問題意識に立つと、これからはそれ以外の分野の人々も交えたコミュニティーが形成される必要があります。すなわち、芸術・経済・法律・政治・教育・工学・理学・医学・薬学といった、多分野の人々が知恵と知識を出すことで宇宙開発が推し進められていかなければなりません。
 冒頭で述べたように、現在、全国的な広がりを持って、ネットワークが形成されつつあります。ネットワークは、シンポジウムやワークショップ、そしてWebサイトにおいて発展しています。ネットワークの中では、たわいもない雑談に始まり、宇宙開発に関する議論、さまざまな宇宙技術に関する情報交換、勉強会、進路相談等々、活発なコミュニケーションが行われています。私たちの社会科学的な分析結果が多くの方々に共有され、また技術的知見を私たちは得ることができるのです。
 

参加した学生によるプレゼンテーション風景(2003年7月27日) 写真
 活動の第3は、今はまだ宇宙開発とあまり関係がない方々に対する「アウトリーチ」 (広範囲の広報普及活動)です。
 活動の第1で述べたように、これからの宇宙開発にとって政府資金以外の収入を得ることは不可欠であり、そのためには宇宙開発の世界に多くの民間企業に入ってもらう必要があります。また、国全体のことを考えた宇宙開発のビジョンを作り上げ、ビジョンに基づいて宇宙開発を推し進めていくには、より多くの方々の知見を集め国民に納得してもらわなければなりません。
「宇宙開発」と聞くと、何か難しいことのように感じる方は、まだたくさんいらっしゃると思います。このような方々に対して「宇宙開発の成果はあなたの身の周りにたくさんありますよ」「宇宙開発を行うと、こんなに安全・快適・おもしろい生活ができるんですよ」「宇宙開発にはいろんな形で関わることができますよ」「さぁ、一緒に考えてみませんか!」といったメッセージを伝える必要があるのではないでしょうか。
 私たちは、フォーラムなどのイベント開催やWebサイトを通じてアウトリーチ活動を行うとともに、JAXAなどが効果的に行えるアウトリーチ活動としてはどのようなものがあるか、情報公開・広告宣伝・イベント開催・イベント支援・Web利用・教育プログラムなどについて検討しています。特に教育プログラムに関しては、先に述べたネットワークを介して、多くの方との議論が行われています。今でも、コズミックカレッジや種子島宇宙センタースペーススクール、IAF大会学生派遣プログラム、衛星設計コンテストなどの有意義なプログラムが提供されていますが、これらを結びつけ、パッケージとして意味のあるプログラムとするにはどのような手段が有効なのか、さまざまなアイディアが出されています。



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