一度打ち上げてしまったらどうすることもできませんので、その前に、観測装置がすべて正常に働くかを確かめるため、基本的に同じ機能を備えた小型のホイヘンス突入機を作って実験をしました。
地球とタイタンでは大気構造が違いますが、成層圏用の気球と着陸用の気球で降下させ、本体を展開するという基本的には実際と同様のミッションを実施したのです。さまざまな機器をチェックすることができましたし、突入機を安全に着陸させるのにパラシュートが大変効果的な働きをすることを確認でき、非常に有益な実験だったと思います。着地した突入機に損傷がなかったことから、もしかしたら本物のホイヘンス突入機も大丈夫かもしれないという希望を抱くことができました。 |
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ホイヘンス突入機の熱シールド内部。大気圏を降下する際に機体から熱シールドを外し、地上に着地する時はこのドーナツのような姿となる。科学装置は、この機体にすべて搭載されている |
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