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「経済界から見たJAXA発足」富士ゼロックス会長 小林陽太郎
Q.JAXAのミッションの柱に「生活に密着した宇宙技術を育成」ということが上げられていますが、国民が身近に感じる宇宙開発はどんなことだと思われますか?

A.僕はそういう分野にあまり詳しくありませんが、最初に頭に浮かぶのは、天気予報ですね。衛星関係の活躍が増すことによって随分精度もあがっていると思います。 また、有人無人の宇宙探査が始まり、宇宙について今まで我々が知らなかったことが、実際にいろいろな形で情報等が入ってくる。そういった事態が、大きな意味での環境のコントロールに非常に大きな影響を与えてきていますし、これからも影響を与えるんだと思います。 環境問題は、単に再生とかグリーンというのを超えて、今後はますます大気との関係を探査、探索する必要があると承知しています。大気中には、健康に影響を与えるような要素が含まれていると実際に証明されていますしね。そういった分野の探査、探索というのが、宇宙をエクスプロアー(探検、探査)することにもつながるのではないでしょうか。まさに、JAXAのXの略「Exploration」、未知なもの、未開なものを見つける、探り出す「探査」です。 以上のような、大気、環境、健康の問題、天気予報の他に考えられるのは、精度の高い情報収集の必要性です。例えば、従来型の航空機から、スペースシップの関連型のようなものが出てくると、空が非常に込み合います。そうすると、今に比べてはるかに精度の高い情報収集が必要になってくるでしょう。 現在、自動車のナビゲーションシステムやエンタテイメント関係など、衛星経由で情報を取り入れていることは皆知っているはずですが、それがもう最近は当たり前になってきて、衛星が絡んでいることを意識しませんね。いろいろなものが、どんどん入ってくるのが当たり前のようになっています。 ですから、宇宙開発の進歩が進んでいくと、今では「そんなことできるのかなあ」と思っていることが、十年後の時点で、皆が意識しないくらい当たり前になっているかもしれません。それこそ、エクスプロレーション(探査)の結果としての、新たな発見、新たな発展の可能性というのは、家庭がらみでも随分多いのではないかという気がしますね。




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Q.個人的な宇宙に対する夢があったら聞かせてください。

A.個人的といったら、安全に帰ってこれるスペースシップがあったら是非乗りたいと思っています。飛行機で飛んでいるところをもっと超えて、素人なりに宇宙をエクスプロアーするという経験は、ぜひ自分の実感として経験してみたいと思います。一緒に3才の孫でも行ければ一層楽しいかもしれませんけどね。



[ インタビュー収録:2003.10.29 ]

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