宇宙基本法は昨年の8月に施行され、内閣総理大臣を本部長とした宇宙開発戦略本部が設置されました。今年の5月には日本の国家戦略となる宇宙基本計画が確定される予定です。これまでアメリカやロシア、中国、インドなどは国家戦略として宇宙開発を進めてきたわけですが、宇宙基本法の制定にともない日本でも国家戦略としての宇宙事業を展開できるということで、これは意義のあることだと思います。
宇宙基本計画には、宇宙開発利用の目的として、(1)国民の生活を豊かにすること、(2)安全保障への貢献、(3)外交の推進、(4)産業の育成、(5)惑星探査や有人宇宙活動など、人類の夢や次世代への投資といった、主に5つの柱がありますが、JAXAはこのほとんどに関連します。ですから、これまで以上にJAXAの体制をより充実、強化する必要があると思います。その詳しい内容については、現在ワーキンググループを作って検討を進めており、今年の春から夏にかけて具体化される予定です。JAXAは、新しい宇宙基本法の精神に沿って、今まで培ってきた技術や経験を最大限に活用し、日本の宇宙利用に大きく貢献していきたいと思います。