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 レオーノフ氏はソ連がロシアに変わる時代を通じ、同国の有人宇宙計画や飛行士養成プログラムで重要な役割を果たしてきた。同時に、宇宙探検家協会をともに設立したR・シュワイカート氏らをはじめアメリカの宇宙飛行士たちの間に知己も多く、その言葉は世界の宇宙開発関係者の間で、重みを持って受け止められている。



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「日本の人たちの仕事ぶりはすばらしい」
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Q. 日本の有人宇宙活動に関し、技術レベルの評価や国際貢献への期待を聞かせてください。

A. 筑波宇宙センターは今回が5年ぶり2回目の訪問だったが、この間の変貌に驚くべきものがあった。(日本のISS実験モジュールである)「きぼう」は成功裏に運用されるであろうと(今回の訪問で私は)確信した。サリュート1〜7、ミールすべての準備作業に関わってきた私は、「きぼう」の成功を断言できる。
 日本の人たちの仕事ぶりはすばらしい。これまでのソ連・ロシアの経験がすべて生かされている。日本のモジュールを見ると、日本の人たちが宇宙飛行士の生活環境・科学実験環境をより快適なものにするためにすばらしい貢献をしてくれることが分かる。早くISSが完成してほしいと思う。
国際宇宙ステーション 完成時に約450トンとなるISSのうち、数十トンが科学実験関係の設備だ。完成すれば同時に7人が滞在できる。アーサー・C・クラーク氏は「国際宇宙ステーションが2017年に完成する」と小説に書いたが、完成はすでに見えている。




 小説『2010年宇宙の旅』では木星へ向かう宇宙船に彼の名が付けられている。宇宙開発の黎明期に死線をくぐってきた人物の名は未知の航海に向かう船の乗組員を勇気づけていた。現実の世界では、「アポロ-ソユーズ」で生まれた米ソの宇宙開発協力が紆余曲折を経てスキームを変え、15カ国が加わったISS(国際宇宙ステーション)として結実している。運営の負担や建設の難航が取りざたされるが、ISSは、人間が暮らす場所としては数少ない「国境のない場所」である。レオーノフ氏が期待と励ましの言葉を寄せてくれた「きぼう」日本実験棟は現在フロリダにあり、最速ならば2006年、軌道に到達し、ISSの一部となる。


[ インタビュー収録:2003.10.16 ]


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