ご覧いただいているページに掲載されている情報は、過去のものであり、最新のものとは異なる場合があります。
掲載年についてはインタビュー 一覧特集 一覧にてご確認いただけます。


Q. 将来の宇宙開発への期待についてお聞かせくださいボリス・チェルトック 写真

 これまでの宇宙開発によって、通信衛星など様々な情報社会に貢献してきたと思いますが、21世紀の宇宙技術・宇宙科学はエネルギー分野に利用されるべきだと思います。環境保護の問題を解決するためには様々な選択肢がありますが、宇宙開発と結びついていることが驚くほど多いのです。
 例えば、50年後、地球の石油やガス、石炭などの資源が減り、エネルギー危機に陥ったら人類はどうやって電力を手に入れるのでしょう。他の天体に資源を求める場合、惑星間の安全な飛行や、エネルギー物質開発のための月面基地の建設などが大きな課題となります。
 しかし、文明の存続に関わるこのような全人類の課題には、たくさんの諸国の努力の集結が必要であると私は思います。
 旧ソ連の学者は自らの力と、国家からの十分な援助により、複雑な課題を解決してきました。宇宙船の自動接近(ランデブー)とドッキング、軌道上での宇宙ステーションの建設、宇宙での長期滞在、宇宙船の制御と安全な軟着陸など、これらの技術開発は、我が国の宇宙分野の基幹技術となり、他国を一歩リードしてきたと言えるでしょう。例えば、アメリカは我が国の自動接近とドッキングの技術を利用していますし、ヨーロッパも私たちの実績から学ぼうとしていますが、現在に至るまで実現できていません。
 21世紀となった今、各国が独自路線で進むのではなく、宇宙分野の実用を目指して各国が協力し合うことが必要だと考えます。そのためには国家元首どうしの話し合いやリーダーシップが不可欠なのです。

[インタビュー収録:2004.2.12]


戻る 1  2  3  4