高く飛んだ熱気球
「宇宙の学校」には、学校で理科の授業を受ける前の、主に5歳から小学校2年生くらいまでの子どもを対象にした1年間の家庭学習のプログラムがあります。現在「宇宙の学校」は、地域の教育委員会、ロータリークラブなどと連携をして、北海道から沖縄まで全国で約20校あり、各地域で参加者を公募しています。また「宇宙の学校」には、必ず親子で参加していただいています。
開校式となる1回目のスクーリング(授業)で教材を渡し、2〜3ヵ月間に1度、交流の場としてスクーリングを行います。次のスクーリングが開催されるまでの間は、最初に渡した教材を使って家庭で学習してもらいます。どの教材を使うか、いくつやるかはそれぞれ自由ですが、必ず親子で行うよう指導しています。スクーリングは年に5回ほど行われ、家庭ではできないようなことを取り上げるようにしています。例えば、家庭にあるドライヤーを使って小さい袋を浮かせるという教材がありますが、スクーリングでは、30〜40m上空にまで上がる大きい熱気球をみんなで作るといった具合です。
「宇宙の学校」では、さまざまな子どもの要求に応じることができるよう、たくさんの教材を提供しています。ここでいう教材とは、家庭にある身近なもので行う実験や観察を紹介したパンフレットのことです。この教材は、子どもが興味をもてるように、子どもの目線に立って作るようにしています。教材の題名についても、例えば、「吸収反応」というテーマの実験をする場合、「ラムネ菓子を食べると、口の中が涼しくなるのはどうして?」というように、子どもが分かりやすいテーマにします。実験を通して、子どもにとって新しい発見をしてもらえるよう、また、保護者の出番をつくる上からも、詳しい解説をわざと書かないこともあります。
今年は新しく14の教材を作る予定なので、教材の数は全部で60以上になります。これは、1週間に1つ教材を使ったとしても、1年間でまだ終わらないくらいの量なので、とても充実していると思います。