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運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)/H-IIAロケット7号機の打ち上げに成功しました。 記者会見報告
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写真中山成彬 文部科学大臣

打上げ成功、心からお祝い申し上げます。1年3カ月前の6号機の失敗以来、JAXAをはじめ、企業の方々が初心に立ち返り、技術・体制など、あらゆる面の総点検を行って今日という日を迎えたわけで、これまでのご苦労は並々ならぬものがあったとお察しいたします。今回の成功は、そうした関係者の総力をあげた取り組みが実を結んだものといえるでしょう。

日本の科学技術に対し、私は日頃から大きな信頼と期待を寄せておりますだけに、前回の失敗で、国民の信頼が揺らいでいるのではないか、また国際的にも信用が失われたのではないかと危惧しておりました。今回の打上げはまさに後がない、絶対に失敗が許されない状況であったことは想像に難くなく、打上げの瞬間は思わず胸が熱くなりました。その40分後に衛星が分離されたという報告を聞いた時には、ほっとすると同時に、これが当然なんだ、ここから日本の宇宙開発技術に対する世界の信頼を勝ち得ていこうと、あらためて気持ちを強くいたしました。

今後も次々に打上げていくわけですが、一層気を引き締めてがんばっていただいて、国民からの信頼を揺るぎないものにすると同時に、世界に冠たる日本の宇宙開発事業となるよう、関係者で力を合わせていきたいと考えているところです。なんと言っても、これからの日本は、科学技術をよりどころとして立っていかねばなりません。

多くの国民の皆様からご心配・ご支援をいただきましたことに、あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

写真安富正文 国土交通省国土交通審議官

このたびのH-IIAロケットの打ち上げ成功を目の当たりにして、非常に感激しております。運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)も無事ロケットから分離され、静止軌道に向けて順調に飛行中ということで、関係者の皆様方のこれまでの努力に対し、心より感謝申し上げたいと思います。

この衛星につきましては、気象観測機能は5月末、航空管制機能は本年末頃の運用開始を目指し、静止軌道への投入、さらに軌道上での運用試験等を行うことになっております。なんとか成功裡に運用が開始されるよう、しばらくは見守っていかなければなりません。われわれとしましては、今後の運用に向けて、身の引き締まる思いです。
MTSAT-1Rが気象と航空のそれぞれの分野において十分活用され、国民の皆様の安全と福祉に大きく寄与することができるよう、今後ともさらに努力してまいります。皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。

写真井口雅一 宇宙開発委員会委員長

今回の成功に対しまして、心からの賛辞とお祝いを申し上げます。

1年3カ月前のロケット打上げ失敗をはじめ、いくつか失敗が続き、宇宙開発委員会は、その原因調査に全力をあげてまいりました。それと同時に、今後どのような方針のもとに打ち上げ再開を迎えるかについて、特別会合で議論いたしました。その結果、古い言葉ではありますが、「人事を尽くして天命を待つ」を方針として、宇宙開発委員会はもちろんのこと、JAXA、メーカー、関係者が気持ちをひとつにして取り組んできたわけです。今回の打ち上げ直前、皆さんの顔を見ると、まさに「人事を尽くした」満足感のようなものに溢れていました。不安の色はありませんでした。それだけの人事を尽くしたからこそ、打上げに成功したのだと思います。

先日行われた宇宙開発委員会の推進部会におきまして、今後は100%の成功に向けて挑戦していくという標語を提案いたしました。今後は関係者の同意を得ながら進めて参りたいと思います。成熟した技術で打上げられている世界のロケットの打上げの平均成功率は約95%です。H-IIAロケットは、これから13機の打上げをすべて成功させれば20分の19、つまり95%となります。まずはその水準に持っていきたいと願っておりますので、今後とも皆様のご支援をお願いいたします。

写真松本勝利 国土交通省航空局航空衛星室長

運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)は、所定の軌道に投入されました。打ち上げから約10日間かけて静止軌道に入り、その後、軌道上試験など各種試験を完了させ、今年の12月末には運用を開始したいと考えております。
現在すでに2号機が製造中で、今年度内に受領する予定になっており、打ち上げは、平成17年度のできるだけ早い時期を希望しています。
写真大島 隆 気象庁気象衛星室長

無事に所定の軌道に投入していただき、安堵の胸をなでおろしているところです。これから静止化に向けての作業、そして衛星機能の確認試験、地上システムとの結合試験などを行い、今度の出水期までには運用を開始したいと思っております。

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