今回の成功に対しまして、心からの賛辞とお祝いを申し上げます。
1年3カ月前のロケット打上げ失敗をはじめ、いくつか失敗が続き、宇宙開発委員会は、その原因調査に全力をあげてまいりました。それと同時に、今後どのような方針のもとに打ち上げ再開を迎えるかについて、特別会合で議論いたしました。その結果、古い言葉ではありますが、「人事を尽くして天命を待つ」を方針として、宇宙開発委員会はもちろんのこと、JAXA、メーカー、関係者が気持ちをひとつにして取り組んできたわけです。今回の打ち上げ直前、皆さんの顔を見ると、まさに「人事を尽くした」満足感のようなものに溢れていました。不安の色はありませんでした。それだけの人事を尽くしたからこそ、打上げに成功したのだと思います。
先日行われた宇宙開発委員会の推進部会におきまして、今後は100%の成功に向けて挑戦していくという標語を提案いたしました。今後は関係者の同意を得ながら進めて参りたいと思います。成熟した技術で打上げられている世界のロケットの打上げの平均成功率は約95%です。H-IIAロケットは、これから13機の打上げをすべて成功させれば20分の19、つまり95%となります。まずはその水準に持っていきたいと願っておりますので、今後とも皆様のご支援をお願いいたします。