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ペンシルロケット フェスティバル レポート 
「ペンシルロケットの復活」〜50年前の情熱を未来の50年へ〜
ペンシルロケットの復活
        
   1回目の試射は、オープニングセレモニーの中で行われました。15個のチェック項目が終わるごとに1つずつ電球が点灯する点火盤も、当時と同様のものが再現され、すべての準備が整ったところでカウントダウン開始。カウントダウンゼロで大きな音とともにロケットが発射され、ロケットは瞬時に発泡スチロール製のキャッチャに突き刺さりました。この間約0.25秒。スタッフが成功を告げると、実験を見守っていた関係者や観客から一斉に拍手が沸き、緊張していたペンシル再現チームの面々もほっとした表情を見せました。
ペンシルロケット 写真
ランチャ(発射台)にセットされた
ペンシルロケット



実験後、コンピュータを使ってすぐに飛翔データを計測。ここは、コンピュータがない50年前と違う点です。データを見ると、時速250kmを超えていたことが分かりました。また、3台の高速度カメラで撮影された映像もすぐに会場のスクリーンに映し出され、ロケットがまっすぐ水平に飛翔するようすを見ることができました。
会場で計3回行われた水平発射実験はどれも大成功で、大勢の方々の前で安全に再現することができました。再現チームが発足したのは5月末。それから約3ヶ月間、18名のメンバーは通常の業務がある中で、試行錯誤を繰り返しつつも、一つずつ課題をクリアにし、ペンシルロケット復活にかけてきました。その途中で、万が一事故を起こせば、このプロジェクトが中止に追い込まれるというプレッシャーもきっとあったことでしょう。この日、大きな目標を達成したメンバーは自信に満ちあふれた顔をしていました。

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インタビュー ペンシルロケット水平発射再現実験 プロジェクトリーダー 徳留 真一郎(宇宙科学研究本部 宇宙輸送工学研究系助手)


宇宙へ行ったペンシルロケット
        
   野口聡一宇宙飛行士は、搭乗したスペースシャトル「ディスカバリー号」(2005年7月26日打ち上げ)に、本物のペンシルロケットを持って行きました。50周年を記念し、50年前の糸川博士の情熱を宇宙に運ぶため、国際宇宙ステーションまで持ち込まれました。
野口宇宙飛行士 写真
国際宇宙ステーション内の野口宇宙飛行士とペンシルロケット


初の水平発射から50年――ペンシルロケットは長い時間を経て宇宙に到達しました。ディスカバリー号はスペースシャトルの飛行再開フライトでしたが、ペンシルロケットにとっても飛行再開のフライトでした。野口宇宙飛行士は、「長い時間をかけて夢を実現することの大切さ」を宇宙から伝え、帰還後の記者会見では、「ペンシルロケットを国際宇宙ステーションへ運ぶという大役を引き受けることになって、非常に光栄に思っています。このペンシルロケットが持つ意味を、これから50年の日本の宇宙開発を担う子供たちに伝えていきたい」と語りました。


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インタビュー JAXA執行役 的川泰宣



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