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洪水には欠かせないレーダーによる観測画像  タイ王室灌漑局(RID)  水害対策専門委員  ポグスタコルン・スヴァンピモル(Pongsthakorn Suvanpimol)
タイは、毎年、自然災害に関連した莫大な出費を強いられています。特に洪水が深刻です。かつて被災地は限られた範囲でしたが、今では広い地域が長期間にわたって洪水の被害を受けるようになりました。そのため政府の出費も毎年増えています。

私たちにとって衛星画像はとても役立つものです。衛星画像で2〜3年前と今年の洪水の状況を比べてみれば、被害が大きくなっているのか小さくなっているのかを判断出来ます。また、今年はなぜこうなってしまったのかなど、原因を調べることも出来るのです。

洪水の時は雲で覆われているので、普段は「RADARSAT」の画像を取得しています。災害時に、タイ国家地理情報・宇宙技術開発機関(GISTDA)に依頼すると、洪水発生から約1週間後に衛星画像を入手出来ます。洪水の範囲やどの地方が被災しているかなどを大臣に説明する時にも衛星画像を使っています。また、タイには、地域ごとに灌漑事務所がありますから、そこへ衛星画像を送り、一般に公開したり、灌漑用地の浸水規模を知事に報告するために使っています。衛星画像があることによって現地では、被災した範囲を正確に知ることができます。そして灌漑事務所の担当者たちが各地点で水位を測ります。この一連の作業によって、どこにどれくらいの水が溜まっているかを計算出来ます。そしてどの地域に何台排水ポンプを設置して、何日かけて復旧出来るかを割り出せるのです。

衛星データの購入にはとてもコストが掛かります。「センチネル・アジア」の活動によって、例えば洪水発生から3〜4日の間でも現場の救援活動のために衛星データを提供してもらえれば、とても助かります。さらに継続的にデータ提供を受けることによって、防災面などでも効果を上げられると期待しています。

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