

金星探査機「あかつき」へのよくある質問を、きんせいちゃんがみんなに代わって、あかつきくんに直接聞いてみたよ。どんな答えが返ってくるかな?
1問目 わたしは女の子だけど、「あかつきくん」は男の子?それとも女の子?

答え
- 「きんせいちゃん」は女の子なんだ!僕は男の子だよ。・・・たぶん。
- たぶん・・・??
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2問目 よく見かけるアンテナはお椀のような形をしているのに、なぜ「あかつきくん」のアンテナは平らなの?
答え
- お椀型のアンテナ、いわゆるパラボラアンテナは、広い面積で電波を受けて一点に集中させ、感度を増して受信しているんだ。でも、太陽に近い金星周辺になると、電波とともに熱も集めてしまって、高温になっちゃう。
そこで、平面型のアンテナにすると、熱を集めず電波だけを集めることができるんだよ。また平面型にすることで軽量化にもなってるんだー!
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3問目 「あかつきくん」は地球のどこと交信しているの?どのくらいの速さでお話できるの?

答え
- 僕と地上局との交信は、JAXAの内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)と、臼田宇宙空間観測所(長野県)で行っているよ。国内だけではなく、海外でも、ゴールドストーン、キャンベラ、マドリッドで支援してもらってるんだ。交信には金星が地球から一番遠い位置にいるときが往復でだいたい30分、一番近い時でだいたい4分半かかるんだよ。
- 金星と地球の距離によって交信にかかる時間が変わってくるのね。
もっと詳しく:
通信速度をネットでも使用されるビット毎秒(bps:ビットパーセコンド)の数字に表すと、遠い時でおよそ4kbps、近い時でも最大で32kbps程度です。
4問目 「あかつきくん」は地球と1日数時間しか交信できないって聞いたけど、どうして?
答え
- 地上の内之浦宇宙空間観測所と臼田宇宙空間観測所のアンテナが、僕に向けられる時間が交信できる時間なんだ。地球は自転しているから、アンテナのある日本が必ず僕側に向けられないため、交信時間が限定されてしまうんだよ。
5問目 どうやって「あかつきくん」の現在位置がわかるの?

答え
- 僕に搭載されているトランスポンダという機器が、地上局から送られた電波を受信してから、それを地上局へ送り返すまでの時間を計算して距離を割り出しているんだよ。
もっと詳しく:
トランスポンダとは、信号を送信(Transmitter:トランスミッター)したり、その信号に応答(Responder:レスポンダー)したりする機械のことで、身近なところでは、TVやレコーダーの衛星受信設定にその表記を見つけることができます。放送・通信だけではなく、航空機や鉄道、船舶などにも搭載、利用されています。
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6問目 「あかつきくん」はどんなルートで金星へ行くの?

答え
- 僕は、太陽から見ると減速する方向、地球の公転とは逆向きに打ち上げられたんだ。公転作用を打ち消すことで、減速させ、太陽の引力を利用して、地球より内側の軌道へスライドさせていくんだよ。
もっと詳しく:
地球から打ち上げられた「あかつき」は、地球と同じ公転軌道面(円盤と考えるとわかりやすいでしょう)の上を太陽に近づくように飛んでいきます。金星の公転軌道面は、地球に比べて3度ほど傾いており、金星の公転軌道面と地球の公転軌道面の接点は2箇所となります。その2回のタイミングは6月と12月で、このタイミングで金星に到着するように、計算して打ち上げました。
金星到着までの道のり
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7問目 金星に到着するまで、「あかつきくん」は何をしているの?何か見えた?
答え
- 本番!の金星を観測する前に、カメラの性能テストで、地球を撮影したよ。

2010年5月21日金星探査機「あかつき」搭載カメラによる撮影
左から紫外イメージャUVI(0.365μm), 1μmカメラIR1(0.9μm), 中間赤外カメラLIR(8-12μm)
もっと詳しく:
地球から金星に向かう途上では、2ミクロンカメラ(IR2)を用いて黄道光と呼ばれる固体微粒子(宇宙の塵)による太陽散乱光の観測を行うことになっていますが、9月ごろまでは太陽電池による発電量が少なく電力に余裕がないことから、大きな電力を要するIR2を使うことができません。9月以降にはIR2で黄道光を観測する予定です。
8問目 金星に到着するまでに、「あかつきくん」はどのくらいのスピードで飛んでいるの?
答え
- 7月の時は、だいたい秒速12kmで飛行していたよ!秒速12kmがどのくらいの速さかっていうと、拳銃の弾よりも速いくらいなんだ。
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