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スクラムジェット燃焼器飛行実験失敗の原因究明結果について

平成18年10月16日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、オーストラリアのクイーンズランド大学へ委託して、平成18年3月30日に豪州で実施したHyShot飛行実験システムによるスクラムジェット燃焼器飛行実験は、同大学が開発したロケット側の失敗により燃焼実験に至らなかったことを4月19日にお知らせしました。
 このたび、失敗に至った燃焼器模型部を覆うロケット先端部のノーズコーンが分離できなかった原因の究明結果が同大学より報告されましたので、以下にお知らせします。

 同大学の原因究明結果によれば、ノーズコーンを分離させるための窒素ガスを供給するためのバルブが、ロケットに搭載したバッテリーの充電不足により、駆動しなかったことが判明しました。また、このバッテリーの充電不足は、実験後の分析から、バッテリー充電システムの電圧測定部の電気的遅延特性(充電電源スイッチオフの命令を発信してから実際にオフになるまでに3秒のタイムラグがあるというもの)のために、電圧表示に誤りがあり、十分に充電されたと誤解したことが原因であることが分かりました。

 当機構としては、上記の同大学の原因究明結果の報告について、機構内に発足させた調査検討チームにおいて評価を行った結果、技術的に適切な結論となっていると判断いたしました。
 なお、スクラムジェット燃焼器飛行実験につきましては、今後どのように進めるか引き続き検討していきます。


(参考プレスリリース)
 (1)「スクラムジェット燃焼器の委託飛行実験について」(平成18年3月20日)
 (2)「スクラムジェット燃焼器の飛行実験結果について」(平成18年3月30日)
 (3)「スクラムジェット燃焼器の飛行実験結果について(続報)」(平成18年3月30日)
 (4)「スクラムジェット燃焼器の飛行実験結果について(続報その2)」(平成18年3月30日)
 (5)「スクラムジェット燃焼器の飛行実験結果について(続報その3)」(平成18年4月19日)