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宇宙航空研究開発機構(JAXA)とラムサール条約事務局との間の
「だいち」を利用した湿地の調査に関する協力協定の締結について

平成22年10月18日

宇宙航空研究開発機構
ラムサール条約事務局

 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)及びラムサール条約事務局(以下、条約事務局)は、今般、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」を利用した国際的に重要な湿地(*)の調査に関して協力関係を結ぶことで合意しました。

 これに伴い、18日、JAXA立川理事長と条約事務局Davidson局次長は、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)のサイドイベント「生物多様性条約の施行におけるラムサール条約の役割」(主催:環境省・条約事務局・生物多様性条約事務局)に出席し、谷博之参議院議員(ラムサール条約湿地を増やす議員の会事務局長)他ご出席の下、協力協定に署名を行いました。

 JAXAではこれまで、ラムサール条約の下での湿地調査に役立てるため、「だいち」画像を試行的に条約事務局に提供してきました。JAXAは、本協定の締結後、協力をさらに発展させるため、国際的に重要な湿地に関する「だいち」画像を事務局と協議して選択し、本画像を継続的に事務局に提供するとともに、「だいち」画像をデータベース化して公開する予定です。一方、条約事務局は、湿地の適正な利用のため、提供された「だいち」画像を、湿地リストの作成、湿地の評価及び保全などに役立てる予定です。

(C)JAXA
署名後の様子
(左から、ラムサール条約事務局Davidson局次長、谷博之参議院議員、JAXA立川理事長)


(参考)ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)
 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促し、湿地の適正な利用(Wise Use)を進めることを目的として、1971年2月2日、イランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において、本条約が採択されました(1975年12月21日発効。2009年4月現在、締約国数159か国)。

* 国際的に重要な湿地
 ラムサール条約によれば、各締約国は自国の領域内にある国際的に重要な湿地を指定し、指定された湿地は国際的に重要な湿地の登録簿に掲載されることとされています。2009年4月現在、登録湿地数1,838か所(うち日本は37か所)。登録湿地の総面積は173,359,584ヘクタール。