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人工衛星による宇宙利用 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)とは

世界最大級の地球観測衛星「だいち」は陸地の状態を詳しく観測します

ALOSはAdvanced Land Observing Satellite(陸域観測技術衛星)の略で、世界最大級の地球観測衛星です。地球資源衛星1号「ふよう」(JERS-1)地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」(ADEOS)の開発と運用によって蓄積された技術をさらに高性能化したもので、地図作成、地域観測、災害状況把握、資源調査などへの貢献が目的です。
観測機器としては、標高など地表の地形データを読みとる「パンクロマチック立体視センサ(PRISM)」、土地の表面の状態や利用状況を知るための「高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)」、昼夜・天候によらず陸地の観測が可能な「フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)」の3つの地球観測センサを搭載し、詳しく陸地の状態を観測する機能を持っています。

2006年1月24日打ち上げ

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2019年6月14日 更新

命名「ALOS氷丘」-衛星観測による極域科学研究への貢献-

英国政府は、英国の南極地名委員会の提案を受け、南極半島の一連の氷河(氷流や氷丘)について、それらの氷河を観測し、極域科学研究に重要なデータを提供してきたヨーロッパ、アメリカ、日本の地球観測衛星にちなんだ名前を付けたことを発表しました。 氷河のひとつには、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の観測による貢献から、「Alos Ice Rumples」(ALOS氷丘)と命名されました。

今回、氷河の命名に付けられた地球観測衛星は、ヨーロッパのERS、ENVISAT、Cryosat、Sentinel、ドイツとアメリカの共同ミッションであるGRACE、アメリカのLandsatと日本のALOSです。

図:命名された氷河名(出典:A.E. Hogg/CPOM)



陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の特徴

地図作成だけでなく、地域観測や災害の状況把握や資源の探査にも役立ちます

「だいち」のセンサは地形情報を正確に取得することが可能です。地表の基準点などの情報に頼らずに2万5000分の1の地図作成ができる地形データ収集を行えるので、開発目的の1つである「日本国内やアジア太平洋地域など諸外国の地図の作成・更新」には大きな威力を発揮することが期待されています。また、「地球環境と開発との調和を図るための地域観測」「国内外の大規模災害の状況把握」「国内外の資源探査」など、様々な分野で利用されます。
「だいち」は私たちの自然や社会、生活を守るために役立ちます。
「だいち」は2006年1月24日、H-IIAロケット8号機により打ち上げられました。
2006年1月の打ち上げ後、地震や津波、台風などの災害状況の観測や防災分野のほか、森林監視や自然環境の保全、農業分野での活用、2万5千分1地形図の作成に利用されるなど、幅広い分野で「だいち」の観測データが活用されてきました。5年間で全世界を約650万シーンも撮影し、2011年に発生した東日本大震災では被災地を400シーン撮影し、各関係機関に情報を提供し続けました。
「だいち」は、設計寿命3年、目標寿命5年を超えて運用されたのち、2011年4月22日に電力異常により交信不能となりました。その後、同年5月12日 10:50に「だいち」搭載の送信機とバッテリーを停止するコマンドを地上より送信し、同衛星の運用を終了いたしました。
「だいち」が培った技術は、後継機の陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)へ引き継がれます。

主要諸元

国際標識番号 2006-002A
打ち上げ日時 2006(平成18)年1月24日 10:33
打ち上げロケット H-IIAロケット8号機
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
形状 一翼式太陽電池パドル、フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ、データ中継衛星通信部アンテナを有する箱型
本体:約6.2m×3.5m×4.0m
太陽電池パドル:約3.1m×22.2m
PALSARアンテナ:約8.9m×3.1m
質量 約4,000kg
軌道 太陽同期準回帰軌道(回帰日数46日)
軌道高度 約690km(軌道長半径7,070km)
軌道傾斜角 約98度
軌道周期 約99分
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式(高精度姿勢軌道決定機能)

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