お金がふんだんにあれば、人間も全員宇宙に行けると思います。決まった予算の中でロボットと人間が交互に行く。今までの歴史でもそうでした。
火星探査の話だけではなく、これだけ高度な科学技術が発達してきている地球上においても、人間とロボットができることというのは、日進月歩で変わってきています。技術が進んで人間がやらなくてもいいようなものは機械にやってもらい、人間は想像力を働かせる部分をやればいいのです。科学というのは何かひとつわかると次に新しいものがでてくる。そういったものに関して、どういう方向性で行こうかとか、想像力を働かせて物事を進めていく。これはやはり人間じゃないとできないのではないかと私は思います。
宇宙から地球を見たとき、その人間の想像力というものにすごく感激しました。アインシュタインにしてもニュートンにしても、宇宙に出て行かなくてもこの宇宙の中の惑星の動きや、万有引力がどうなっているか、そんなことがわかった人たちなのです。
人間の想像力に驚かされるのは科学だけではありません。日本の古事記という神話の本に、神様がぐちゃぐちゃと地球をかき回して、筆を引き上げてぽとぽとぽととできたのが日本列島であるという記載があります。宇宙から日本列島を見ると確かにそのように見えるのです。実際に見た人が言うならわかるけれども、見ていない人がどうしてそういうことがいえるのか。それが、想像力です。それが多くの人のロマンを掻き立てて、科学なり、芸術なりを推進してきているのではないかと思います。
宇宙探査や地球探査、インナーワールドにおいても、機械と人間というのは、1+1を2より大きくするようないい協調関係をつくるためのテーマではないかと思います。
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