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打上げ後の予定ですが、折り畳まれているレーダやアンテナなどを展開して所定の形状にセッティングするのに、打上げ日から延べ4日間かかります。マニュアルで衛星をコントロールするところもありますので、最初の4日間が最も緊迫した作業となります。
その後、衛星の健全性の確認。バックアップの機器も含めて、すべてのハードウエアが正常かを点検するのに3ヶ月間。この間もやはりハラハラしながらやらざるをえないところです。
それを終えると、設計通りの衛星の機能があるレベルで検証されたことになり、本格的にデータを取得し始めますが、地球観測衛星の場合、さらに搭載されているセンサの性能などを評価しなければなりません。それを私たちの用語で、「較正・検証」という呼び方をしています。較正というのは、測定器の値が工学的に正しいかどうかを確認し、もし狂いがある場合は、基準量を用いて正します。検証は、物理的・実証的な評価として正しいかどうかを検証するということですが、それに実質5ヶ月かかります。ですから、完全なデータを正式にエンドユーザーにお出しできるのは、打上げから8ヶ月後になってしまいます。ですが、「だいち」のデータは、世界の多くの研究機関が待ち望んでいますので、打上げ3ヶ月後から共同研究機関などには適時データをお渡しし、合わせて評価していく予定です。
「だいち」のデータは、まず、地球観測センター(EOC)にすべて送られますが、特殊な解析や処理が必要な場合は、地球観測利用推進センター(EORC)でデータの付加評価、付加解析をしてから公開していきます。
また、万が一、世界のどこかで大規模災害が起きた場合には、「だいち」は「国際災害チャータ」という災害対応に関する国際的な取り組みに参加していますので、要請があれば試験運用期間中でも可能な限り対応する方針で考えています。 |

今から200年程前の江戸時代に、日本全土を歩いて周り、実測による日本地図を初めて作成したのが、伊能忠敬です。その後20世紀後半になると、飛行機を使って地図を作り、21世紀となった今、さらに技術が発達し、「だいち」は宇宙から地図を作ります。地上で計測、空から、そして宇宙からと手段こそ違いますが、「正確な地図を作りたい」という思いは、私も200年前に足でかせいだ伊能忠敬と同じです。精度の高い地図を作るという精神をこれからも引き継いでいきたいと思います。
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