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「宇宙飛行士はムリだけど、宇宙船づくりなら……」と理系の道に
 

松尾亜紀子さんの写真―― 燃焼や爆発などに小さいときからあこがれをお持ちだった、たとえば花火好きの少女だったりしたのですか?

松尾 宇宙への憧れはありましたね。小さい頃から理科や算数が好きで、未来を描いた絵本やSF小説、宇宙船に乗ってどこかへ出かける話などが好きでした。「宇宙飛行士になったら、こういう体験ができるんだ」と思い、宇宙飛行士を目指しかけたんですけど、あるとき向井千秋さんが当時の総理大臣と話しているのをテレビで見て……。

―― 見て、どう思ったんですか?

松尾 見事に如才なくふるまってらっしゃった。「これは私にはできない」と思いました(笑い)。それに、電車でも酔うくらい乗り物に弱かったのもあって、宇宙飛行士はあきらめることにしました。「でも宇宙船をつくることならできるかもしれない。そのためには……」、と小学校の頃から理数系をめざしたんです。

―― 戦略的な進路選択ですね。

松尾 大学は数学科だったので直接は関係していなかったんですが、大学院で名古屋大学にすすみ、今の専門である数値流体力学に出会いました。修士課程後、民間企業でスパコンを扱う研究機関に就職、その間にプリンストン大学に滞在、その後博士課程へ進学し,学術振興会のDC1,PD(特別研究員)を経ました。その間にISAS(宇宙科学研究所、当時)の藤井孝蔵先生の研究室に顔を出すようになり、ご指導をいただきました。

―― ユニークなキャリアパスをたどった……。

松尾 この(航空宇宙研究)世界って、東大航空純血主義みたいなところもあるんですが、私は一貫して傍流でしたので……(笑い)。

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