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航空機研究の最前線を支える 航空機研究の最前線を支える
ケビン・L・ピーターセン
			NASAドライデン飛行研究センター所長
プロフィール
			1951年10月4日、アイオワ州生まれ。1974年、アイオワ州立大学で航空宇宙工学を学び、科学の学位を取る。その後UCLAに進んで1976年に修士号(制御システム)を取得し、さらに、スタンフォード大学で工学プログラムを学ぶ。大学在学中の1971年からインターンシップでドライデン飛行研究センターに勤務し、研究技師としてF8のデジタル式フライバイワイヤやHiMAT(高機動性航空技術)にかかわり、大学卒業後の1974年に正式に採用される。F-18HARVやX-29などのプロジェクトに携わって、エアロスペースプレーン計画室長、同センター所長補佐、副所長などを歴任したあと、1999年2月から現職。
——ドライデン飛行研究センターはNASAでどのような役割を果たしているのでしょうか?

ドライデン飛行研究センターは、アメリカ全土に10カ所あるNASAの研究センターの1つです。主に先端航空飛行の研究や実験を行っていますが、NASAにおける科学活動と宇宙技術の支援もしています。宇宙で利用される可能性のある航空機が開発されれば、地球に戻ってきて着陸できる機能を実現するために、何かしらの航空試験を担当することになるかもしれません。
一般には、NASAの他の組織の技術や、米国内の産業における先端航空機技術の飛行実験実証を要請されて行うというのが私たちの役目です。


——政府機関が航空機を開発する意味とは何でしょう?

一般的に、NASAそしてドライデン飛行研究センターでは米国内産業や他の政府組織と協力して作業を行っています。私たちは、一から航空機を開発する事業を行っているわけではなく、航空機を試験し、企業や他の機関が開発する可能性のある製品が定義通り機能しているかどうかを確認することが仕事です。“技術の成熟”つまり開発の中で、航空機が確実に計画通りの機能を果たすように手助けをするのです。
またNASAに関して言えば、普通、航空機全体の開発は行いません。
私たちの役割は、航空機における特定部分の技術開発援助を行うことであり、民間産業や企業、空軍などの政府機関は、その高度な技術の中からニーズに合ったものを自らの航空機に組み込んでいきます。そういった企業や機関は、航空機を開発したあとここに戻ってきますので、私たちはその技術を実証し、要求通りの機能を実現するためのサポートをするのです。

 
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