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  B-52Bの右翼下に取り付けられて上空に運ばれるブースターロケット「ペガサス」と、その先端のX-43A
  B-52Bから切り離された直後のペガサスとX-43A
  ロケットエンジンを点火したペガサス。X-43Aの加速が始まる
  ペガサス(左)から分離されるX-43A(右)(イラスト)
 
ヘリオス 写真

ハワイ・カウアイ島の上空を飛行するヘリオス
——X-43Aの成果についてお話しください。

X-43A計画は、ドライデン飛行研究センターで最近完了したプログラムです。当センターとバージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究センターによる共同プロジェクトであると同時に、多くの民間企業もパートナーとしてこのプログラムに参加しました。
このプログラムの目的は、超高速エンジンの先端飛行技術である超音速燃焼ラムジェット技術(別名、スクラムジェット技術)を実証することにあり、2004年3月と11月に試験を成功させました。X-43Aは、ロケットブースターに取り付けられた状態でマッハを超え、十分な速さに達した後、切り離されてさらに加速します。3月の試験では当時の史上最速となるマッハ7を記録し、11月にはさらにそれを更新するマッハ9.8を達成したのです。時速で換算すると、およそ11000km/時ほどになります。この2回の飛行試験で、スクラムジェットエンジンが近い将来のうちに利用可能になる技術だということを示すことができました。


——X-43Aの技術を用いた超音速の宇宙機の開発は、今後も続けていくのですか?

そう信じています。この先も、昨年実証したこの技術を応用していくことになると思っています。
今のところ、NASAにはこれに続く超音速飛行プログラムの計画はなく、この将来に関してさまざまな話し合いが行われています。従って、次の試験には関与していないのが現状ですが、将来的にこの技術が再び陽の目を見て、進化を続けていくことを大いに期待しています。


——X-43Aプロジェクト以外に、最近の成果はどんなものがありますか?

ドライデン飛行研究センターでは、高度な飛行研究活動を多く行っていますし、X-43Aはほんの一例に過ぎません。
ここ数年では、無人航空機(UAV)の飛行を行い、成功を収めています。そのひとつとして挙げられるのは、「ヘリオス」という太陽光のみを動力源にした大型の無人航空機です。高度9万6863フィート(約3万m)の飛行を達成し、ロケットを使用しない航空機の世界最高記録を樹立していますが、これは私たちが追求している無人航空機技術のほんの一例です。私たちが特に興味を持っているのは、高高度を持続し、長期使用に耐えられる航空機を開発し、NASA内の他の科学的な分野にこの技術を応用することです。この高高度科学プラットフォームの機能を活かして、NASAの地球科学プログラムや宇宙科学プログラムの支援を行っていきたいと考えています。

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