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ISS長期滞在を終えて
元NASA宇宙飛行士 リロイ・チャオ
			国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在を無事に終え、2005年4月、約6カ月半ぶりに地球に帰還したリロイ・チャオ元NASA宇宙飛行士。特に、船外活動においてNASAでもトップクラスの技術の持ち主と高く評価されていました。2度のスペースシャトルミッションで共に飛行した仲間であり、公私にわたって親しい間柄である若田宇宙飛行士が、ISSの長期滞在がどんなものだったかを、同僚の一人としてお話をうかがいました。
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Leroy Chiao
			化学工学博士。元NASA宇宙飛行士。
			1960年8月、アメリカ、ウイスコンシン州生まれ。91年に宇宙飛行士となる。STS-65(94年)でミッションスペシャリストとして搭乗。STS-72(96年)と、STS-92(2000年)では、若田光一宇宙飛行士と共に飛行。それぞれ2回、計4回の船外活動を行う。03年のコロンビア事故によりシャトルの打ち上げが中断されていたため、04年10月にロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へ。第10次長期滞在クルーとして約6カ月半にわたりISSに滞在し、2回の船外活動のほか、ISSコマンダーとしての任務を果たす。05年11月末でNASAを退職し、現在は主に宇宙プログラムのコンサルティングを行っている。
若田 第10次長期滞在ミッション(Expedition-10)の主な目的は何でしたか?
チャオ 国際宇宙ステーション(ISS)の維持です。「クエスト」(エアロック)の部品の取り換えや米国製宇宙服の修理などのほか、船外活動による実験装置の設置や、欧州補給機(ATV)の到着に向けた準備作業を行いました。スペースシャトルの飛行再開やISSの大規模な建設再開に備えるために、各種メンテナンスや故障部分の修理をして、ISSを良好な状態にすることが目的でした。
若田 ISSに約6カ月半滞在した感想は?
チャオ 本当にいろいろな気持ちが混ざり合っていました。宇宙で地球を見下ろしながら実験やメンテナンス作業をすることはもちろん刺激的ですし、船外活動中は、とても胸がわくわくしました。でも、きつい作業も多いですし、家族や友人とも長い間離れ離れになりますから、複雑な気持ちになりました。
若田 スペースシャトルの短期飛行とは違うということですか?
チャオ そうです。
若田 ミッション中、もっとも興味深かったことは何ですか?
チャオ 特におもしろかったのは、窓から外を眺めて地球のいろいろな場所の写真を撮ったことです。中国にある万里の長城を写真に収めたくて、何枚か撮りましたが、上空から肉眼で万里の長城を識別することは至難の業でした。それと、船外活動はとても興奮しました。アメリカの宇宙服だけでなく、ロシアの宇宙服を着て船外活動をする機会もありました。
若田 リロイが時々メールで送ってくれた写真はどれも素晴らしかったんですが、万里の長城は特によかったですね。
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