——なぜ、「ホーキング、宇宙を語る(原題“Brief History Of Time”)」から20年近く経って、「ホーキング、宇宙のすべてを語る(原題“Briefer History Of Time”)」を執筆しようと思ったのですか?
※Brief…簡潔な、Briefer…より簡潔な
私が書いた初の一般書「ホーキング、宇宙を語る」は大反響を呼びましたが、理解しにくいと感じた人も多くいました。そこで、さらにわかりやすいものを新しく執筆することにしたのです。「ホーキング、宇宙を語る」が出版されたあとの成果を加筆し、専門的な要素が強いものは割愛して、一般の読者にとって敷居が低い、読みやすい本が完成しました。一作目を難しく感じた人には、この新作「ホーキング、宇宙のすべてを語る」にトライしていただき、楽しく驚いてもらえれば幸いですね。
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「ホーキング、宇宙のすべてを語る」
ランダムハウス講談社 |
——一般の読者が理解できるように、すべてを簡単な言葉に言い換えることに、挫折してしまいそうになることはありませんか?
“簡単にすること”は必要です。ほとんどの人が、理論物理学の非常に数学的な詳細までを習得する時間なんて持ち合わせていませんからね。でも、宇宙の仕組みと、その中における人類の位置付けについての全体像を捉えることは、誰にでも可能ですし、また、そうあるべきだと思っています。私は、この本を通じて、そのことを伝えようとしているのです。
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——どうすれば、若い人たちが科学に興味を持つようになるでしょうか。
今、娘のルーシーと一緒に、子ども向けの本を執筆する計画を立てています。物語形式で相対論と宇宙論について説明するものになるでしょう。
子どもというのは、いろんな意味で最高の聞き手だと思っています。ためらわずに理由を聞こうとしますし、ごく自然に宇宙に興味を持っている。早い段階で興味を引きつければ、そういった子どもたちが、将来、科学者になるかもしれません。 |
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