NASA が1990年代におこなったディスカバリー計画は、「開発期間は短く、そして質は高く、より安く(faster, better, cheaper)」を目指してきましたが、「スターダスト」はまさにこのディスカバリー計画の精神を反映するものでした。この目標を実行に移しつつ、ミッションを成功させることはとても困難なことでしたが、「スターダスト」においては、この環境下でうまく機能したといえるでしょう。このことはとても重要です。
次に、アメリカではアポロ計画以来約30年ぶりとなるサンプルリターンミッションだったことです。長いブランクの後に、無事サンプルを回収することができました。サンプルの粒子は凍結状態で太陽系の外縁に封じ込められていましたから、太陽系が形成されて以来変わっていない状態のまま保存されていると考えられています。その粒子を手にすれば、45億年の時をさかのぼり、太陽、惑星、そして私たちの構成要素を目の当たりにすることができるのです。