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Q.博士はこれまで数多くのミッションに携わってきましたが、宇宙探査の歴史を振り返ってどう思われますか?
宇宙探査の歴史を振り返ってみると、技術の進歩が、宇宙探査の成果そのものといえるほど大きな役割を担うようになってきました。初期のカメラを見ると、解像度が低く、惑星の表面の特徴をほとんど識別することができませんでした。今は高解像度カメラだけでなく、赤外線、紫外線、レーダーなど様々な観測機器があり、大気を調査するだけでなく、惑星の構成物質や磁場、周辺のプラズマなども観測することができます。技術的な大きな躍進を遂げて、いろいろなことができるようになりました。これからも技術の進化が続き、宇宙探査の新しい歴史がつづられていくだろうと期待しています。
 

Q.日本でも小惑星探査機「はやぶさ」が宇宙探査の新しい歴史を刻みました。「はやぶさ」についてどう思われますか?
「はやぶさ」は、小惑星を周回し、着陸して、そのサンプルを持ち帰るという素晴らしいミッションです。きっと大きな成果をもたらすことでしょう。また、私たちアメリカ人だけでなく、ヨーロッパの科学者も「はやぶさ」ミッションに参加して共同研究できることに、とても感謝しています。これは非常に興奮すべきミッションであり、当然ながら、私も「はやぶさ」の帰還を心待ちにしています。
Q.宇宙探査のパートナーとして日本に期待することは何でしょうか?
宇宙探査は、1カ国が単独でおこなうことはできません。ですから、日本、ヨーロッパ、インド、アメリカなど、世界のリーダーが協力して国際的なミッションをおこなう必要があります。実際にそのような国際的な共同プロジェクトがますます増えてきています。将来的に日本とは、重要な宇宙探査ミッションを共同で行い、素晴らしいパートナーとして作業することができればいいと思います。
Q.博士の次のミッションは何ですか?
実は、「スターダスト」のサンプル帰還に成功して、ユタ州から自分の机に戻るとすぐに片付けをし、次のミッションの準備にとりかかりました。私は、2008年に火星の北極に着陸する予定の探査機「フェニックス」と、2010年に火星に着陸する探査機「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」において、地図を作成し、着陸地点の分析をおこなうことになっています。将来的な着陸地点の検討をするためには、アメリカのミッションのデータだけでなく、ヨーロッパの「マーズ・エクスプレス」ミッションのデータも活かされます。今からとてもわくわくしています。今後も内容の濃い、質の高い作業をして、将来のミッションに貢献していきたいと思っています。
 

日本の小惑星探査機「はやぶさ」

アメリカの火星探査機「フェニックス」(提供:NASA)
 
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