|
 |
Q.1 X線天文学の魅力、面白さは何でしょうか?
私たちは長年にわたりX線天文学をはじめとする天文学の研究に取り組み、激しい爆発現象がさまざまな天体の誕生につながっていることを明らかにしてきました。
ビッグバンに代表される大爆発は、星の誕生と死につきものであり、さらには銀河や銀河星団といった宇宙の大構造を創り出します。このような激しい現象が起きると、ガスは非常に高温に熱せられ、粒子は加速されて高エネルギーをもつようになり、結果的にX線を放射することになります。
銀河と銀河の間の空間には何も存在しないわけではなく、非常に薄い高温のガスが存在しています。このガスの中には、銀河団を構成する銀河よりも多くの物質が含まれています。そして、この高温のガスはX線でのみ輝き、見つけることができます。この物質の存在は、私たちが初めて発見したものです。
いっぽう、星は寿命の終わりに「超新星爆発」を起こし、たくさんのX線を放射するため、X線観測は宇宙の高エネルギー現象を発見し研究するための有効な手段となっています。これらの高エネルギー現象は、星や銀河、銀河団などが誕生したり終わりを迎えるとき、そしてその進化の上で非常に重要な位置(エポック)を占めています。そこがX線天文学のおもしろさなのです。
 |