かぐやは2007年9月に打ち上げられ、2009年6月に主衛星「かぐや」が役目を終えました。
更なる将来の月惑星探査にむけた小型月着陸実証機SLIMについて
地球からの距離 | 約38万km |
月の大きさ | 直径 約3476km (地球の約4分の1) |
月の質量 | 地球の81分の1 |
月の公転周期・ 自転周期 |
約27.32日 |
月の環境 月の重力は地球の約6分の1。ほとんど大気がないため、昼夜の温度差が非常に大きくなります。月の赤道付近の観測では、昼は110℃、夜は−170℃と、その差は200℃以上もあります。 |
月は地球の周りを回っています。月と地球と太陽の位置によって、月の見え方が変わってきます。
地球から月までの距離は約38万km。赤道のまわりを10周したくらいの距離にあたります。かぐやは打上げ後、約20日間で月を周る軌道に入ります。その後17日あまりかけて軌道を調整し、月を観測するのに適した軌道に投入されます。
地球は、月の引力の影響を大きく受けており、月の位置によって満潮、干潮が発生します。
また地球は、太陽の引力の影響を少なからず受けており、太陽による満潮と月による満潮が重なったときが「大潮」。地球に対する月の方向と太陽の方向が直行し、互いの力を打ち消しあって、引き伸ばされ方が小さくなる状態が「小潮」です。
アポロ計画で行われた調査や実験により、月の誕生は地球と同様におよそ45億年前であること、月の表と裏で地質の特徴が異なることなどがわかりました。しかし、月の起源と進化(月がどのように形成され、どのような変遷を経て現在に至ったか)には未だに多くの謎が残されています。
月の誕生には4つの説があります。
地球の一部がちぎれて月になった |
まったく違うところで生まれた月が地球の重力に捕らえられた |
太陽系ができたときに、地球と一緒に生まれた |
地球がほぼできあがったころ、火星ぐらいの大きさの星がぶつかり、宇宙空間に広がった地球のかけらが次第に集まって固まり、月ができた |
今のところ、巨大衝突説がもっとも有力だと考えられています。しかし、そのような衝突の跡は月や地球の地形に残っていません。また、アポロ計画で持ち帰られた月の石は、月のほんのわずかな部分のため、月全体の組成もまだわかっていないのです。
地球からはいつも月の表側を見ています。(*)表側の明るい部分は「高地」、暗い部分は「海」と呼ばれています。地球から見えない裏側には隕石の衝突でできたクレーターがたくさんあります。最近では表と裏で地下のつくりも違うことがわかってきました。どうして月の表と裏でこんなに違うのでしょうか。
地球の内部はコア(核)とマントルに大きく分かれています。コアは鉄やニッケルでできた固まりです。マントルはコアの周りを包む層で、地球の内部をゆっくり動いています。一方、月の中心は、今までの探査から金属でできたコアがあることは間違いないようですが、詳細についてはよくわかっていないというのが現状です。
「かぐや」はこれまでに行われた探査よりもさらに詳しく月を調べ、月がどのように誕生し現在の姿になったのか、月はどのような環境なのかなどを明らかにします。
地球では常に火山が活動し、地下ではマントルが対流しているため、絶えず変化しています。そのため、地球の始まりの姿を知ることができません。「かぐや」の観測によって月のことがより詳しくわかると、月がいつ、どのようにできたのかが明らかになります。
地球には大気がありますが、月にはほとんどありません。そのため、太陽の光は月の表面に直接届いています。「かぐや」は約1年間、月を周回しながら、いろいろな観測機器を使って太陽が月にどんな影響を与えているかなど、詳しく調べます。
「かぐや」は月以外の観測を行う機器も搭載しています。テレビや携帯電話などの電磁波が飛び交っていない月は、宇宙の電磁波を調べるのにも適しています。また南極と北極のオーロラを月から同時に観測することで、太陽が地球に及ぼす影響を調べられます。