山口:打ち上げに向けて各班の業務、情報の取り纏めを行うことが私たち企画班の仕事です。具体的には、打ち上げ計画書の作成から始まり、予算やスケジュール管理、打ち上げ時に編成される打上隊の管理や関係機関への打ち上げ情報の周知、打ち上げ終了後には次号機への反映事項の引継ぎを行うまで、業務内容は多岐に渡ります。
長福:各班や関係部署の窓口としての仕事もしているため、打ち上げ関係で困ったこと、分からないことがあれば企画班に連絡が来ます。そういう意味では、「打ち上げお悩み相談室」といえるかもしれません。打ち上げに関することは何でも知っていなければいけないと思うと同時に、頼りにされる存在でありたいと思っています。
山口:各種取りまとめ業務のほかに、気象係としての仕事も行っています。ロケットの打ち上げ作業を安全に行うためにも気象情報は欠かせません。必要な気象データを作業者に提供することも私たちの仕事のひとつです。
山口:打ち上げ前には、主要な作業を開始する前に各班の作業状況や天候状況を確認する判断会議が行われます。その判断会議での事務局対応を行い、打ち上げ後には打ち上げ時の気象データの提供や関係機関への通知対応等を行っています。
長福:他にも気象係として、打ち上げ直前に飛行機を飛ばして上空の雲の状態を調べたり、バルーンを飛ばして風観測を行います。気象データの取得は打ち上げ成功の大きな鍵のひとつですので、決して気を抜くことは出来ないですし、正直ものすごくプレッシャーを感じます。
山口:轟音(ごうおん)と共に宇宙に飛び立っていくロケットは、かなりの迫力ですが、そんなロケット打ち上げの現場である種子島宇宙センターでは、入社5年目くらいまでの若手職員が最前線で働いています。みんな夢だった宇宙やロケットに関わる仕事に携わりながら楽しんで仕事をしています。そのエネルギーがロケット打ち上げに向けた困難な仕事を達成する原動力となっています。
長福:私は入社1年目の職員ですが、種子島で働いていて思うのは、1年目でも先輩の金魚のフンではいられないということです。限られた人員、時間の中で、ロケット打ち上げを成功させるためには、1年目でも自立して仕事をすること、戦力として働くことが求められます。同期は5人いますが、皆そういう環境で仕事をしていますし、常に責任感や危機感を持って仕事をしています。だからこそ、打ち上げが成功したときは本当に達成感がありますし、打ち上げ成功という明確な目標に向かって仕事が出来る場所で働けることを幸せだと思います。
長福:JAXA主体で打ち上げるH-IIBロケットの作業に関わるのは初めてです。私にとっては今回が3機目の打ち上げということで、責任ある仕事を任されるようにもなり、緊張感はかなりあります。それでも全体をまとめる企画班として、職員はじめ打ち上げ関係者一人ひとりの打ち上げへの熱い思いもまとめ、絶対打ち上げを成功させられるよう頑張ります。
山口:打ち上げの準備作業は順調です。気になるのはお天気です。打ち上げはお天気に左右されるため、毎号機てるてる坊主を作って、お祈りしています。ホームページをご覧の皆さんも、応援を宜しくお願いいたします。