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世界の温暖化政策に貢献したい

Q.今、なぜGOSATのような衛星が必要とされると思われますか?


ある意味では、歴史の必然だと思います。温室効果ガスについては、1920年頃からいろいろな試みがありました。衛星を使って測定するという技術を誰も持っていない頃から、多くの学者が注目してきたのです。そして今、我々がその技術を手にし、ようやく、その技術を使える時が来ました。それと共に、温室効果ガスに関する世論の高まりも、大きな気運となり、JAXAが自らの技術を使って世界に貢献したいということから生み出されたのがGOSATです。そういう意味では、大きなジャンプというよりも、今までずっと頑張ってきたものが、ようやく貢献できるようになってきたんだなという感じです。



GOSATの実物大模型と
浜崎プロジェクトマネージャ

Q.打上げを来年の夏にひかえた今のお気持ちをお聞かせください。


衛星は、フライトモデルの試験が始まったところです。なんとしても成功させたいということで、毎日ぴりぴりとした緊張感の中で仕事をしています。一方、打ち上げた後で世界に大きく貢献するという確信がありますので、そういった意味では、緊張する気持ちと、興奮してわくわくする気持ちが入り交じっていて、複雑な心境です。また、「地球を救うぞ」というような強い使命感もあります。照れくさいですが、人類平和のためにやっているんだという気持ちがすごくあります。GOSAT自身が温暖化を止めるわけではないですが、「大変だ、大変だ」と言うだけでなく、GOSATの観測によって、地球の現状を見て、正しい知識を得ることが、対策を立てるのに一番役に立ちます。世界中の多くの方たちになるべく早くデータを配って、将来の温室効果ガスの削減に貢献できるようにしたいと思います。今は予定通り2008年度に打ち上げることを目標に努力していきたいと思います。



浜崎敬(はまざきたかし)
JAXA宇宙利用推進本部GOSATプロジェクトマネージャ
1954年生まれ。1979年、宇宙開発事業団(現JAXA)に入社。システム計画部、衛星技術開発室、宇宙ステーション計画NASA駐在員、陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」サブマネージャなどを経て、2003年より現職。
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