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みちびきFAQ

「みちびき」、準天頂衛星システムへのよくある質問と回答「その2」をご紹介します。
Q.6 今までのGPSとみちびきはどこが違うの?
A.6 GPSとはアメリカが開発した測位システム(GPS: Global Positioning System)で、地球の周りをまわる約30機のGPS衛星で構成されています。日本の準天頂衛星初号機「みちびき」はそんなGPS衛星たちの仲間です。
では、GPS衛星と何が違うかというと、「みちびき」が飛んでいる軌道に特長があります。「みちびき」は、山地が多く平地に都市が集中する日本国内で、山やビルにさえぎられることなく衛星の電波を届けるために、日本のほぼ真上に長時間見えるように工夫された軌道を飛んでいます。(「準天頂」とは「ほぼ真上」という意味です。)
また、「みちびき」は現在使われているGPSの信号だけでなく、将来の新しいGPS信号にも対応した測位信号を送信します。

GPSだけでなく、「みちびき」からの信号を受信することで、測位ができる場所や時間が広がり、精度が高まると期待されています。

 

Q.7 みちびきはどこの機関が運用しているの?
A.7 準天頂衛星初号機「みちびき」やみちびきの運用・実験を行う地上システムで構成される準天頂衛星システムの技術実証(*1)・利用実証(*2)は、文部科学省がとりまとめ担当となり、総務省、経済産業省、国土交通省、国土地理院の協力を得て計画を推進しています。なお、JAXAはシステムの整備・運用を担当しています。民間が主体で実施する利用実証の取りまとめは衛星測位利用推進センター(SPAC)が行います。
*1 技術実証とは:(1) GPS 補完 (2) GPS補強 (3) 次世代基盤技術の機能・性能を確認する実証実験
*2 利用実証とは:準天頂衛星からの測位信号を用いたアプリケーションの実証実験


追跡管制局から受け取った補正データをもとに、より正確な「位置」と「時刻」の情報をお届けします。

 
Q.8 いつから準天頂軌道に投入されますか?
A.8 みちびきの大きな特徴のひとつに、日本の真上に長時間滞在するための8の字の軌跡がありますが、打ち上げ直後から8の字の軌跡を描くわけではありません。
H-IIAロケットによってトランスファー軌道に乗せた「みちびき」を、さらに準天頂軌道に乗せ換えるには、みちびきのメインエンジンであるアポジエンジンによる噴射(AEF)を行い、さらにみちびきの12個のスラスターを使って軌道修正を行う必要があります。みちびきが8の字の軌跡を描く準天頂軌道に乗るまでは、打ち上げから約2週間かかります。

★もっと詳しく!
準天頂衛星システムの全て(QZ-vision)
準天頂衛星初号機「みちびき」がロケットで打ち上げられて分離してから、みちびき自身のエンジンを使って準天頂軌道に乗るまでを紹介しています。
Q.9 いつから実験運用が始まりますか? また、いつから信号を利用できるようになりますか?
A.9 「みちびき」の打ち上げ後、まず搭載機器などが正常に機能するかどうかの確認(初期機能確認)を約3ヶ月間実施します。その後、技術実証実験、利用実証実験が開始となる計画です。技術実証・利用実証を実施する期間も衛星からは測位信号を送信し続けており、ユーザの方々に信号を利用していただくことは可能です。
ただし、技術実証開始からしばらくの間は、測位信号に載せて送られる衛星の軌道・クロック情報の精度を改善していく実験を行うため、目標精度に達するまでは、航法メッセージのアラートフラグというその衛星を使ってはいけないことを示すビットを立てて運用します。この期間に信号を使用される方は、測位結果がGPS単体で使用するよりも悪くなる可能性があることを了解の上で使用していただくことになります。また一部の実験では、利用者の皆様への悪影響を避けるために、一時的に一般の皆様が利用できない信号に切り替えて実験を行う場合があります。
これらの実験スケジュールは下記のウェブサイトにて公開します。
Q.10 現在使用しているカーナビでもみちびきからのデータを受信できますか?
A.10 既に市販されているGPS受信機は、「みちびき」の信号受信を前提としていないソフトウェアですので、現在のままの形で「みちびき」を受信することはできません。
しかし準天頂衛星から出す信号は、GPSと周波数や信号の構成がGPSと同じであるため、既存のGPS受信機の簡易な改修によりみちびきの信号を受信可能です。機種によってはソフトウェアの改修により対応できるものもあるようです。
なお、JAXAを含めた研究機関が配信する「みちびき」の信号の仕様はJAXAのウェブサイトで公開しており、受信機メーカの対応を促進しているところです。「みちびき」の電波を受信できる受信機を開発しているメーカもあるようです。
Q.11 いつから3機体制になりますか?
A.11 追加2機の準天頂衛星を打ち上げる準天頂衛星システムの第2段階への移行は、第1段階である「みちびき」の技術実証、利用実証の結果を評価して決められます。まずは準天頂衛星システムの有効性を確認することが重要です。その結果を元に、政府で検討されることになります。


私が日本の真上にいる時間は7〜9時間程度。日本上空を24時間カバーするためには、3機の準天頂衛星が必要なんですよ。

 
Q.12 みちびきを使ってどんなことができるようになるの? 今までに出されたアイディアは?
A.12 普段カーナビを使っている方の中には、現在でも十分実用に耐えうると思われる方もいるかもしれません。しかし測位精度が上がると、カーナビ以外の様々な場面の広範囲で位置情報を生かしたサービスが考えられます。
例えば、警察や消防などで各車両の位置の正確な把握や、山間部での災害や事故などの正確な場所の特定、工事や農業用車両の自動運転や作業員の安全確保などの構想が考えられています。
準天頂衛星システムの利用法については、衛星測位利用推進センター(SPAC)が中心に取りまとめを行っています。