日本最初の人工衛星「おおすみ」が旧宇宙科学研究所のL-4Sロケットによって軌道に送られたのは、1970(昭和45)年2月11日。その後、衛星の打ち上げはミュー(M)シリーズに引き継がれます。以降M-4S、M-3C、M-3H、M-3S、M-3SII、M-Vと進歩を続けてきました。
このMシリーズは、全段固体燃料を使ったロケットで、日本の科学衛星打ち上げ用ロケットの歴史を築いてきました。これまでにもMシリーズは、超新星・オーロラ・ハレー彗星観測など、宇宙観測にはなくてはならない存在でしたが、M-VはX線天文学や赤外線天文学などの発展にも貢献し、また、月や惑星探査に代表される太陽系科学のミッションにも利用されています。
号機 | 打ち上げ日 | ペイロード |
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1号機 | 1997/2/12 | 電波天文衛星「はるか」(MUSES-B) |
3号機 | 1998/7/4 | 火星探査機「のぞみ」(PLANET-B) |
4号機 | 2000/2/10 | X線天文衛星「ASTRO-E」 ※1段目の燃焼異常のため最終速度が足りず、衛星を軌道に乗せられなかった |
5号機 | 2003/5/9 | 小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C) |
6号機 | 2005/7/10 | X線天文衛星「すざく」(ASTRO-E2) |
8号機 | 2006/2/22 | 赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F) |
7号機 | 2006/9/23 | 太陽観測衛星「ひので」(SOLAR-B) |