
「あかり」(ASTRO-F)は、日本初の本格的な赤外線天文衛星で、空全体にわたって星や銀河などすべての赤外線源を調べあげる「サーベイ観測」を目的としています。同様の目的でアメリカ・イギリス・オランダによって1983(昭和58)年に打ち上げられた世界初の赤外線天文衛星IRAS(Infrared Astronomy Satellite)と比べ、はるかに高い性能を目指し、現在開発が進められています。
IRASが口径57センチの赤外線望遠鏡を搭載、約10カ月間の観測をしたのに対して、「あかり」は口径67センチで打ち上げ後約550日の観測が可能です。観測装置は遠赤外線を観測するFISと、近・中間赤外線カメラであるIRCの2種類(IRCの近赤外線カメラだけは数年間にわたって観測可能)。撮影能力もIRASの1桁以上高い感度、数倍以上高い解像度を備えます。「あかり」の主な目標は、「銀河がいつどのようにして生まれ、現在の姿に進化してきたか」「星の誕生とその周りで惑星がどのように形成されたのか」というプロセスの解明です。
宇宙の初めの頃に作られた星の光は、大きなドップラー効果によって赤外線として観測されます。また生まれたての銀河(原始銀河)は、非常に激しい星生成を起こしている可能性が高く、赤外線で最も明るく見えると考えられます。そこで「あかり」は、高感度の赤外線観測により数百万個にのぼる銀河を しらみつぶしに観測し、原始銀河を探索します。
また銀河系の中では、今も少しずつ星が作られています。「あかり」は暗黒星雲の中で生まれたばかりの星を探査して、どのような場所でどのようなきっかけで星ができるのか、どのような質量の星がどのような割合で作られるのか、などを調べます。新しく生まれた星の周りでは、微小な宇宙塵が集まって惑星が作られます。惑星の原料である宇宙塵が赤外線で最も良く観測できることを利用して、惑星が作られる過程を解明するのも、「あかり」の重要な仕事です。この他、新彗星の発見など太陽系内天体の観測や、終末期にある星の観測など、「あかり」は現在の天文学に欠かせない大量の赤外線データをもたらす ことが期待されています。
あかりは、2006年2月22日、M-Vロケット8号機により打ち上げられました。
| 国際標識番号 | 2006-005A |
|---|---|
| 打ち上げ日時 | 2006(平成18)年2月22日 6:28 |
| 打ち上げロケット | M-Vロケット8号機 |
| 打ち上げ場所 | 内之浦宇宙空間観測所 |
| 形状 | 1.8m×1.8m×3.2m 太陽電池パドルの端から端まで5.7m |
| 質量 | 約960kg |
| 軌道 | 円軌道(太陽同期) |
| 軌道高度 | 約750km |
| 軌道傾斜角 | 98.4度 |
| 軌道周期 | 100分 |
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