赤外線天文衛星「あかり」

2006年2月22日打ち上げ > 運用終了

プロジェクトトピックス


2013年1月11日 更新

大マゼラン雲の赤外線天体カタログを公開

JAXAは、赤外線天文衛星「あかり」の観測から作成した大マゼラン雲の赤外線天体のカタログを全世界に向けて公開しました。今回公開した「点光源カタログ」は大マゼラン雲のカタログとしては最大規模のもので、「スペクトルカタログ」は世界で初めてのデータです。これらは、大マゼラン雲中の天体を正確に分類し、生まれたばかりの星や、進化した星の研究を大きく推進させる重要なデータとなります。

チームリーダが語る私たちのミッション


赤外線天文衛星「あかり」は、2007年8月26日17時33分、液体ヘリウムを使い切ったため、赤外線ならびに中間赤外線での観測を終了しました。
続きを読む


プロジェクト概要


プリント

「あかり」は、銀河の誕生とその進化過程の
カギを探す赤外線天文衛星です

「あかり」(ASTRO-F)は、日本初の本格的な赤外線天文衛星で、空全体にわたって星や銀河などすべての赤外線源を調べあげる「サーベイ観測」を目的としています。同様の目的でアメリカ・イギリス・オランダによって1983(昭和58)年に打ち上げられた世界初の赤外線天文衛星IRAS(Infrared Astronomy Satellite)と比べ、はるかに高い性能を目指し、現在開発が進められています。
IRASが口径57センチの赤外線望遠鏡を搭載、約10カ月間の観測をしたのに対して、「あかり」は口径67センチで打ち上げ後約550日の観測が可能です。観測装置は遠赤外線を観測するFISと、近・中間赤外線カメラであるIRCの2種類(IRCの近赤外線カメラだけは数年間にわたって観測可能)。撮影能力もIRASの1桁以上高い感度、数倍以上高い解像度を備えます。「あかり」の主な目標は、「銀河がいつどのようにして生まれ、現在の姿に進化してきたか」「星の誕生とその周りで惑星がどのように形成されたのか」というプロセスの解明です。


「あかり」の赤外線観測装置に期待される天文学上の成果

宇宙の初めの頃に作られた星の光は、大きなドップラー効果によって赤外線として観測されます。また生まれたての銀河(原始銀河)は、非常に激しい星生成を起こしている可能性が高く、赤外線で最も明るく見えると考えられます。そこで「あかり」は、高感度の赤外線観測により数百万個にのぼる銀河を しらみつぶしに観測し、原始銀河を探索します。
また銀河系の中では、今も少しずつ星が作られています。「あかり」は暗黒星雲の中で生まれたばかりの星を探査して、どのような場所でどのようなきっかけで星ができるのか、どのような質量の星がどのような割合で作られるのか、などを調べます。新しく生まれた星の周りでは、微小な宇宙塵が集まって惑星が作られます。惑星の原料である宇宙塵が赤外線で最も良く観測できることを利用して、惑星が作られる過程を解明するのも、「あかり」の重要な仕事です。この他、新彗星の発見など太陽系内天体の観測や、終末期にある星の観測など、「あかり」は現在の天文学に欠かせない大量の赤外線データをもたらす ことが期待されています。
あかりは、2006年2月22日、M-Vロケット8号機により打ち上げられました。


主要諸元

国際標識番号 2006-005A
打ち上げ日時 2006(平成18)年2月22日 6:28
打ち上げロケット M-Vロケット8号機
打ち上げ場所 内之浦宇宙空間観測所
形状 1.8m×1.8m×3.2m
太陽電池パドルの端から端まで5.7m
質量 約960kg
軌道 円軌道(太陽同期)
軌道高度 約750km
軌道傾斜角 98.4度
軌道周期 100分