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JAXAの宇宙教育活動〜心の教育を子どもたちへ〜

地域で育む地域の子ども

Q. 宇宙教育を今後どう発展させていきたいと思いますか?

宇宙教育指導者セミナー
宇宙教育指導者セミナー

宇宙教育センターの設立からおよそ5年が経ち、学校の先生からの問い合わせや、セミナーの参加者なども年々増えてきました。しかし、全国的には、まだ「宇宙教育」に対しての認知度が低いため、一般の方に理解していただけるような環境づくりが必要だと思います。その1つとして、「地域で育む地域の子ども」をスローガンにして、宇宙教育の活動を自発的に進めてくれる拠点を拡げています。例えば、地域の教育委員会や科学館、大学と協定を結び、そこが、その地域の宇宙教育の活動拠点となります。そして宇宙教育センターでは、その拠点に対して、指導者の育成などの支援を行います。
宇宙教育センターのマンパワーで全国の学校を訪れるのには限界がありますが、日本の各地に連携拠点があれば、その地域の先生たちが中心となって宇宙教育を広めていただくことができます。また、継続的な活動も期待できます。将来的には日本中に拠点をつくり、宇宙教育の機会をもっと増やせるよう、宇宙教育センターではその支援体制を構築していきたいと思います。

Q. 宇宙教育センターの今後の目標を教えてください。

宇宙教育の授業を聞く子どもたち
宇宙教育の授業を聞く子どもたち

近年、日本の宇宙技術は、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟の完成や、宇宙ステーション補給機(HTV)の成功など、世界的にも高く評価されています。これからも日本の宇宙開発の技術や成果が、世界的に貢献していくだろうと思いますが、そのような姿を日本の子どもたちが見た時に、きっと誇りに感じると思うんです。そして大きくなったら、宇宙の現場で働きたいという夢を抱くかもしれません。
このように、宇宙開発というのは、子どもたちに夢や希望を与え、心豊かな子どもたちを育むものだと思います。ですから、宇宙開発などで得た技術や知識を活用する「宇宙教育」も、子どもたちの心を豊かにするものだと思いますし、そうあってほしいと思います。宇宙教育センターでは、子どもの「心づくり」を意識して、宇宙教育のさらなる普及と発展に努めていきたいと思います。

中村日出夫(なかむらひでお)

JAXA宇宙教育センター センター長 
1971年、千葉大学教育学部卒業。2年間の日本電信電話公社(現NTT)勤務の後、1973年、東京都北区立清至中学校教諭に就任。その後、都内の中学校勤務を経て、2008年3月まで品川区立荏原第一中学校校長を務める。2005年、全国中学校理科教育研究会会長(現在は同会顧問)。教育委員会や文部科学省の委員のほか、理科教育に関する研究会役員も歴任。1987年、日本教育研究連合会教育奨励賞受賞。理科教育に関する数多くの研究成果や著書がある。独立行政法人国立科学博物館の学習課アドバイザー。第1級アマチュア無線技士資格を持つ。2008年4月より現職。

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