Q. イベントに参加された保護者の反応はいかがですか?

参加者同士のグループワーク
子どもにどうやって科学を教育したらいいか分からない、という保護者は多いですね。例えば、宇宙の図鑑を買って与えても、子どもはあまり読んでくれず、どのように宇宙を勉強するきっかけを与えたらよいか分からないと言うのです。そういう状況の中で、子どもが一生懸命、実験に参加する姿を間近で見ると、とても感動するようです。「子どもが科学に興味を持つきっかけを与えてくれて感謝しています」という保護者の感想はとても多いです。
また、学校を卒業してしばらく経ち、科学というものを忘れていた保護者たちが、もう一度、科学に興味を持つきっかけになっているようです。「子どものために何となく付き添いで嫌々ついてきたけども、気がついたら自分が一生懸命になっていました」という感想も多いです。
世界的には「科学立国・日本」といわれていますが、現在、日本の理系の学生比率は、欧米に比べて圧倒的に少なく、全体の30%以下です。弊社の社長はイギリスの大学を卒業しておりますが、この低い数字をなかなか信じてくれません。保護者が科学に関心を持ち、子どもにも科学に興味を持たせようとすると、理系に進む子どもが増え、日本の科学がもっと盛り上ると思います。
このような保護者からの反応はとても嬉しいことであり、引き続き、両親への啓蒙にもつなげていきたいと思います。
Q. 宇宙教育センターに期待することは何でしょうか?

宇宙スーツで記念撮影
昨年のイベントでは、スタッフ全員にJAXAのブルースーツを貸していただいたり、子どもたちに宇宙のブックレットをプレゼントしていただいたり、会場にH-IIBロケットや国際宇宙ステーションの模型を展示していただいたり、子どもが着て記念写真を撮れるような宇宙服を持ってきてくださったり、金星探査機「あかつき」に参加した子どもたちのメッセージをのせていただいたりと、JAXAの方には非常に協力していただきました。
会場にいる子どもたちは、実際に宇宙の現場で働くJAXAの方とお話しできるのをとても楽しみにしていましたし、こうして一緒にイベントをさせていただき、一般の方と日本の宇宙開発との距離が近づいた感じもします。参加していただいた子どもたちにアンケートをとると、イベントに参加して宇宙飛行士になりたいと思ったという子どもが少なからずいます。そういう意味でも、昨年JAXAと共催で行った「コズミックカレッジ」には大きな手応えを感じましたので、これからもぜひ続けていきたいと思います。
写真提供:2010 Discovery Communications Inc.