4. |
委員会が1970年報告(22FCC2D at§.95-96)において承認し、かつ、同報告に基づいて提出された申請及び答申によって確認されたように、衛星技術は、既存の若干の市場に資するよりよい手段を提供し、かつ、現在は役立てられていない新しい市場を開発することによって国家の国内の通信構造に重要な貢献を行う可能性を有する。二地点間交換送信業務についての既存の通信事業者の長距離地上施設を増大するため、及び海外国内遠隔地(例えば、アラスカ、ハワイ、プエルトリコ)と大陸諸州を結ぶために通信衛星を使用することについての具体的な提案が委員会に提出されている。また、番組送信のような、一地点と複数の地点間の業務を提供する手段として衛星を利用することについての提案も提出されているが、この利用案は、現在最も試験的かつ不確実なものである。他の提案は、現時点での国内衛星の最も重要な価値が、新しい市場を開発し、特殊な通信業務用の既存の市場を拡大するための可能性にあるという見解を反映している。 |
5. |
提出された特殊な提案にかかわらず、衛星が国内の分野において生み出すことができる公益の真の範囲及び性質は今後証明されなければならない。合衆国は、よく発達したかつ急速に拡大する地上施設の複合体を有し、かつ、地上技術及び運用が進歩しており、送信価格の軽減とより効率的な業務に向けての現在の傾向を継続することを期待し得る。トラヒックの経過線路における運用上の柔軟性の増大に示されているが、主たる地上通信事業者であるAT&Tは、衛星技術が、現在、トラヒック、メッセージ有料電話(MTT)、及び広域電話業務(WATS)の大部分を構成する交換業務の供給のための地上施設に対する経費節減その他の顕著な利益を与えることを否認している。同時に、同期衛星を経由しての音声通信に固有な時間的遅れが、国内電話トラヒックが無差別にかつ大規模な基礎に立って衛星及び地上施設経由で行われる場合に、公衆に容認できる質の業務を供給できるかどうかという現実の運用経験によってのみ解決することができる不確実性が存在する。 |
6. |
衛星技術が特殊な通信市場において大いに有望な直接的な公益を有するように思われるにもかかわらず、ここにもまた、いかに効果的にかつ迅速に衛星業務が当該市場を開発し又は浸透することができるかどうかに関する不確実性が存在する。従って、商業放送網は、一地点と複数の地点間の送信の分野においては、全体的に又は部分的にこの技術を使用するかどうかについてまだ決定を下していない。我々は、ヒューズ社からのCATV網についての具体的提案を有し、公共放送その他の教育団体が関心を表明していることを知っており、CATV及び地方放送局への番組素材の個々の提供者が関心を持つ可能性を心得ている。さらに、若干のシステム申請者が番組送信事業の求めに加えて(部分的には既存の又は企図された地上での業務提供の補足物としてであるが、大部分は既存の特殊業務の市場を拡大しかつ新しい市場を開発する期待を持って)、その他の特殊業務の販売に関する提案を前提としていた。なるほど、申請者は、一般的に、新しい又は革新的な特殊業務を識別していない。しかしながら、我々の判断では、刺激されるべき特殊な市場及び革新的な業務の性質及び範囲に関する不確実性は、運用上の施設による経験によってのみ解決されよう。 |
7. |
我々は、この状況下では、国内通信のために衛星システムの建設及び使用の免許の交付及び規制を規律する政策を策定するにあたり、次の目標に従う。
(a) |
全ての種類の業務の新しい通信資源としてのこの技術の使用における技術上、運用上及び市場取引のデータ及び経験の早期獲得の機会を最大限にすること。 |
(b) |
複数の事業体に対して、衛星技術に固有な運用上及び経済的な特性が、いかに地上施設により行うことができるもの以上に経済的かつ効率的な既存の及び新しい特殊な業務を提供するために利用することができるかを証明するための合理的な機会を与えること。 |
(c) |
既存の制度上の制限又は禁止を取り除きまたは無効にすることによってこの新しい通信資源の効率的な開発を容易にすること。 |
(d) |
国内通信用の衛星技術の使用に関して、将来の経験及び状況によって必要とされる当該使用における調整を行うように我々の政策決定にあたっての活動の余地及び柔軟性を保持すること。 |
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8. |
我々は、更に、衛星技術が地上施設によって行うことができるもの以上に経済的かつ効率的な既存の及び新しい特殊な業務を供給するために使用することができる範囲に係る有益な証拠を作成するためには複数の事業体の参入が最も適切であると考える。特殊業務はAT&Tのトラヒック全体の比較的小さな割合ではあるけれども、同社は、現在、特殊業務の地上での主たる供給者である。ウエスターン・ユニオン及び特殊通信事業者業務における委員会の決定(29 FCC 2D 870)に基づき許可された新しい特殊通信事業者からの既存の及び潜在的な競争が存在する。しかし、彼らの地上施設の能力は、AT&Tの能力又は衛星システム申請人により企図された高度の能力を持つ施設に比べて小さい。衛星システムの免許人の間及び衛星システムと地上システム間の双方における特殊業務の競争的な供給源の存在は、業務及び技術革新を促進し、原価及び公衆に対する料金を最小限にする努力を刺激するべきである。 |