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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第6章 一般規定

非差別的なデータの提供

第601条
(a) この法律の規定に基づきシステム運用者によって作成された価値の付加されていないデータは、この法律の要件に従って非差別的な基礎に基づきすべての利用者に提供される。
(b) システム運用者は、運用者が当該データを販売する際の価格、方針、手続その他の条件を公開する(ただし、第104条(3)(C)の規定に基づき、購入者の名前又はその購入を公開する必要はない。)。


データ保管

第602条
(a) 次のことは合衆国政府の利益である。
(1) ランド・リモートセンシング・データの公的記録を長期的な世界的環境監視を含む歴史的、科学的、及び技術的目的のために保持すること。
(2) 公的記録の内容及び範囲を管理すること。
(3) 公的記録の質、完全性、及び継続性を確保すること。
(b) 長官は、基礎的な世界的規模のランド・リモートセンシング・データ・セット(以下「基礎的データ・セット」という。)の長期的な保管、維持、及び品質向上の措置を講じ、かつ基礎的データ・セットの適切な保管及び保存を確保し、データを要求する者が随時入手することができるよう確保する。長官が政府の公的記録保管所に集める基礎的データ・セットは、システム運用者が販売その他の目的で維持することができるデータの目録とは異なる。
(c) 長官は、基礎的データ・セットの当初の内容を決定するにあたって、又は、当該データ・セットの品質向上にあたって、次のことを行う。
(1) この法律の制定の日に記録保管されたデータを基礎として使用する。
(2) 将来の技術的及び科学的開発及び必要を考慮する。
(3) リモートセンシング・データ及びデータ製品の利用者及び作成者と協議し、彼らの助言を求める。
(4) 地理的範囲の見地から重複することがあるが、季節、無線周波数スペクトル、解像度その他の関連要素の見地からは異なるデータの必要を考慮する。
(5) 長官が適当と考える場合には、第3章の規定に基づきランドサット・システムにより又は第4章の規定に基づき免許人によって作成された価値の付加されていないデータを含める。
(6) 長官が適当と考える場合には、外国の地上局又は外国のリモートセンシング宇宙システムによって収集されたデータを含める。
(7) 公的記録の内容が第607条の規定に従って作成されることを確保する。
(d) 長官は、利用可能な予算に従って、基礎的データ・セットに必要なデータを請求し、これを提供するシステム運用者に対して複製及び伝送に係る妥当な経費を支払う。システム運用者は、記録の保管を行うのに適した形で要求されたデータを迅速に提供するものとする。
(e) いずれのシステム運用者も、長官が決定する期間、合衆国のリモートセンシング・データの記録保管所に自己が提供するすべてのデータを独占的に販売する権利を有する。ただし、この権利は、データが検知された日から10年を越えることはないものとする。第202条(a)に規定された契約の履行に先立ってランドサット・システムによって作成されたデータの場合には、第202条の規定に基づき選定された契約者は、この契約期間中、合衆国政府のためにこれらのデータを市場化する独占的な権利を有する。システム運用者は、当該特定データの販売の申込を終了させることによって独占権が終了する以前に独占権を放棄し、かつ、記録保管所からの配布に同意することができる。
(f) この独占的販売権の終了の後、又はこの権利の放棄の後、合衆国のリモートセンシング・データの公的記録に提供されたデータは公物となり、長官が複製及び伝送に係る妥当な経費を反映する価格で当該データを要求する当事者に提供される。
(g) 長官は、本条に規定する任務を遂行するにあたって、実行可能な限度においてかつ特別歳出法の事前の規定に基づき既存の政府の施設を使用する。


複製禁止

第603条 この法律の規定に基づき、システム運用者が配布する価値の付加されていないデータは、当該データが購入者によって複製され又は配給されないという条件で販売される。


援助の償還

第604条 国家航空宇宙局長官、国防長官その他の連邦機関の長は、この法律の規定に基づきシステム運用者に対し援助を与えることができる。実質的な援助は、法律によって別段に規定される場合を除いて、運用者によって償還される。


設備の取得

第605条 長官は、ランドサット・システムの設備がこのシステムの運用又はこのシステムからのデータの販売に必要でなくなった場合に、競争入札の手続によって、第4章の規定に基づき免許人その他の民間当事者がランドサット・システムから設備を購入し、賃貸し、又は他の方法で設備の使用を取得することを許可することができる。他の連邦民事機関の公務員は、長官と協力して本条の規定を実施することを許可され及び奨励される。


無線周波数の割当

第606条
(a) この法律の制定の後30日以内に、大統領(又は無線局若しくは合衆国によって運用される部類の無線局への周波数の割当についての権限を有する大統領代理)が、現在政府の使用(合衆国のランドサット商業リモートセンシング宇宙システムによる利用のため)に割り当てられている無線周波数スペクトルを政府以外の使用に提供する。このように提供される無線周波数スペクトルは、関係国際無線又は有線通信条約若しくはその附属規則に従うものとする。連邦通信委員会は、その後90日以内に、この無線周波数スペクトルを政府以外の使用に役立てることを許可するための適切な手続を使用する。本条のいずれの規定も、委員会が追加の無線周波数スペクトルを商業ランド・リモートセンシング宇宙衛星システムの利用に割り当てる権能を妨げるものではない。
(b) 1934年改正(47U.S.C.151 et.Seq.)連邦通信法によって必要とされる限度で、商業用リモートセンシング宇宙システムに含まれる無線施設についての申請が、連邦通信委員会に提出される。
(c) 連邦通信委員会が、この法律に基づく商業ランド・リモートセンシング宇宙システムの民間部門の当事者又はコンソーシアム運用者の申請によって、当該免許申請の受理の後120日以内に、改正1934年通信法(47U.S.C.151et.Seq.)に基づき、無線免許交付の手続を遂行することが議会の意思である。連邦通信委員会は、最終措置が当該申請の受理の後120日以内に行われなかった場合には、申請者に対し懸案事項並びにこれらを解決するために必要な行動を通知する。
(d) どのような免許交付の決定が行われるにしても、無線送信施設又は構成部分以外の、合衆国のランド・リモートセンシング宇宙システム(又はその構成部分)の開発及び製造のための連邦通信委員会の権限は必要とされない。
(e) 本条に基づいて連邦通信委員会が行う周波数の割当は、国際的な義務及び公益に適合するものとする。


協議

第607条
(a) 長官は、この法律に基づき、国家の安全保障に影響するすべての問題に関して、国防長官と協議する。国防長官は、この法律に基づき、合衆国の国家安全保障に係る事項に適合するために必要な条件を決定しかつ当該条件を長官に迅速に通告する責任を有する。
(b)
(1) 長官は、この法律の規定に基づき、国際的な義務に影響するすべての問題に関して国務長官と協議する。国務長官は、この法律に基づき、合衆国の国際的な義務及び政策に適合するために必要な条件を決定しかつ当該条件を迅速に長官に通告する責任を有する。
(2) 適切な連邦機関に、国際援助計画の一部として、リモートセンシング・データ、技術、及び訓練を開発途上国に与えることを許可し及び奨励する。
(3) 国務長官は、長官にデータの非差別的な配布に関する合衆国外の事例を迅速に報告する。
(c) 長官は、国家安全保障に係る事項に基づいてシステム運用者に課せられた技術上の変更の結果として、国防長官その他の連邦機関の長官と協議の上で、増加経費がシステム運用者によって負担されること又は過去の開発経費(資本経費を含む。)がシステム運用者によって支弁されないことを決定する場合には、期待利益を除いて、この技術上の修正を要請する一又は複数の機関に対してこの追加経費又は開発経費について、システム運用者に償還するように要請することができる。償還には、要請されたシステムの性能の変更に関連する費用を含めることができる。ただし、海外での事業に関連する通常経費を含まない。


1983年の国家航空宇宙機関授権法の改正

第608条 1983年の国家航空宇宙局授権法(公法第97-324号、96 Stat.1601)第201条(a)は、次のように改正する。
「(a)商務長官は、ランドサット4及び5号衛星並びに国家航空宇宙局から譲渡される関連地上システム設備を含む民事リモートセンシング宇宙システムの管理及び運用を計画し、かつ、当該管理及び運用の措置を講じ、使用料を定め、それが国益に適合する場合に、民事リモートセンシング宇宙システムの運用の民間部門への譲渡を計画する権限を与えられる。」


支出許可

第609条
(a) 長官は、この法律の規定を実施するために1985会計年度中7,500万ドルを支出する許可を与えられる。この金額は全額利用可能であるが、第202条(c)及び第303条(c)に規定する期間が終了するまで、使用できない。
(b) (a)の規定に基づき措置される許可は、1983年国家航空宇宙機関授権法第2章の規定に基づき許可される金額に付け加えられる。

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