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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

<法律上の論点>

 まず、問題となったのは、ウエスターン・ユニオン社とマクドネル・ダグラス社との契約中の免訴条項の効力である。免訴条項として当該契約第7条は、「この契約の第13、15、16、及び17条に規定する場合を除いて、いかなる場合にも、マクドネル・ダグラス社は、この取極に基づき又はこれに関連して、不法行為、過失、厳格責任、契約その他の法的若しくは衡平法上の理論に基づき、偶発的な若しくは間接的な損害又は購入者の保証費用について購入者に対して賠償責任を負わないものとする。購入者は、マクドネル・ダグラス社、その社員、代理人及び使用人に対して、ペイロード・アシスタンス・モヂュール(PAM)、宇宙船、又は打上げ機の打上げ又は運用から生ずる若しくはいずれにしてもこれらに関連する何人の死亡又は傷害及びいかなる財産の滅失、損傷又は破壊についても、これらがマクドネル・ダグラス社、その職員、代理人及び使用人の過失又は故意の行為のみから生ずるのでなければ、すべての賠償責任を免除し、損傷及び滅失(これらに関連する費用を含む。)のないように保証する。」と規定していた。この他にも、第14条2及び3項が当事者間の賠償責任の放棄を規定していた。この第14条は、ウエスターン・ユニオン社とNASAとの取極における当事者間の賠償責任の放棄に適合するために挿入されたもので、マクドネル・ダグラス社によってではなく、NASAによって課された条件である。原告の主要な論点及びそれに対応する裁判所の見解は次のとおりである。

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