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目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

附属書

仲裁

1. 仲裁の要請は欧州評議会事務総長になされる。要請には当該紛争の他方の当事者の名前及び主たる事項を記載する。事務総長は受理した情報をこの協約の当事国に通知する
2. その一方が欧州経済共同体の加盟国である二つの締約国間の紛争の場合、経済共同体それ自身が締約国であるから、仲裁の要請は、加盟国及び共同体の双方に宛てられ、加盟国又は共同体あるいは加盟国と共同体が共同で紛争の当事者となるか否かについて、その要請を受理して1カ月以内に加盟国と共同体が共同で事務総長に通知する。
上記の期限内にそのような通知がない場合は、仲裁裁判所の構成及び手続に関する規定の適用にあたっては当該紛争にあって加盟国及び共同体は単一かつ同一当事者と見做される。
同様のことは、加盟国及び共同体が共同で紛争の当事者として申し立てる場合にも適用される。この段落で定める紛争の場合、第4段落の最初の文にみられる1カ月の期限は2カ月に延長される。
3. 仲裁裁判所は3人の構成員からなる。紛争の各当事者は1人の仲裁人を任命する。任命された2人の仲裁人は合意によって裁判長となる第三の仲裁人を指名する。
裁判長は紛争当事者のいずれの国民であってはならず、その常居所が当事者のいずれの領域にあってはならず、当事者のいずれによっても雇用されてはならず、また当該訴訟に別の資格で関係したことがあってはならない。
4. いずれか一方の当事者が欧州評議会事務総長による要請の通報後、1カ月以内に仲裁人を任命しなかった場合、仲裁人は、他方の当事者の要請で、さらに1カ月の期間内に欧州人権裁判所の裁判所長によって任命される。
同裁判所の裁判所長が措置をとることができない場合、又は裁判所長が当該紛争のいずれか一方の当事者の国民である場合には、任命は同裁判所の次長又はこれを行うことができる最年長、かつ、当該紛争のいずれか一方の当事者の国民ではない裁判官によって行われる。
第二の仲裁人の任命後の1カ月以内に仲裁裁判所の裁判所長が指名されない場合は、同様の手続による。
5. 3と4の規定は、場合によっては、欠員を満たすために適用される。
6. 同じ利害関係にあることを合意で決定する二以上の当事国は、共同で仲裁人を任命する。
7. 紛争当事国及び常設委員会は、仲裁手続の効果的な運営に必要なあらゆる便宜を仲裁裁判所に与えなければならない。
8. 仲裁裁判所はその手続規則を定める。票決はその構成員の多数決投票による。その決定は最終的なものとし、拘束力を有する。
9. 仲裁裁判所の決定は、欧州評議会事務総長に通知され、同事務総長はその決定をこの協約のすべての当事国に通知する。
10. 紛争の各当事国は自国によって任命される仲裁人の経費を負担する。これらの当事国は、仲裁に伴うその他の費用ばかりではなく、その他の仲裁人の経費を平等に分担する。

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