(1) |
合衆国は国家安全保障に必要な宇宙活動を実施する。 これらの活動は、国家安全保障法(1947年修正)、その他の関連する法律、及び大統領令12333号に規定される各々の責任に従い、国防長官及び中央情報局長官により監督される。その他の省庁は適当な場合には、支援を行う。 |
(2) |
世界的な規模の軍事作戦を支援し、戦略的・軍事的脅威を監視し及びこれに対応し、軍備管理及び核不拡散協定並びに活動を監視するための合衆国の能力を改善することは、国家安全保障上の宇宙活動の鍵となる優先事項である。国防長官及び中央情報局長官は、防衛宇宙活動及び諜報宇宙活動が密接に調整され、宇宙構築物が最大限実行可能な限度で統合されることを確保し、変化する脅威、環境及び対峙国に関する情報を収集し、これらに対応するための各々の活動を継続して近代化し、改善する。 |
(3) |
国家安全保障宇宙活動は以下の方策により合衆国の国家安全保障に資するものとする。
(a) |
合衆国の固有の自衛権並びに合衆国による同盟国及び友好国に対する防衛の誓約を支援すること。 |
(b) |
敵の攻撃に対する抑止、警告、及び必要な場合には、防衛。 |
(c) |
敵対勢力が合衆国独自の宇宙空間の利用を妨げることができないように確保すること。 |
(d) |
必要な場合には、敵対目的で利用される宇宙システム及び宇宙役務に対抗すること。 |
(e) |
合衆国軍及び同盟国軍の作戦能力の向上。 |
(f) |
合衆国の軍事及び諜報宇宙関連活動の実施能力を確保すること。 |
(g) |
平和時及び危機の際の並びに紛争のすべての段階を通じての軍事上及び諜報上の要件を満たすこと。 |
(h) |
国家政策の立案者、諜報機関、国家指揮最高部、戦闘指揮官及び兵士、その他の連邦公務員の活動及び政府の活動の継続性を支援すること。 |
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(4) |
宇宙ミッションを実施するのに必要な極めて重要な能力が確保されなければならない。この要件は、設計及びシステム・プランニング、開発、取得、運用、及び支援のあらゆる段階で検討され、実施される。 |
(5) |
エネルギー省は、国防省、軍備管理軍縮局及び中央情報局と調整の上、特別な核物質及び核兵器を管理するための国際的な協定を効果的に検証するのに必要な技術に係る研究及び開発を実施する。 |
(6) |
防衛宇宙部門の指針は以下のとおりである。
(a) |
国防省は、宇宙支援、軍事力の増強、宇宙管理、及び軍事力の実地適用に係るミッションの分野を実施するための能力を保持する。 |
(b) |
国防省は、大統領命令及び準拠指令に従い、極めて重要な宇宙関連技術及びミッションの側面を保護する。 |
(c) |
国防省は、防衛及び諜報部門の双方のための打上げ機関として、国家安全保障上の要件に適合するのに必要な宇宙輸送システム、基盤施設、及び支援活動を進展させ、支援するための能力を保持する。国防省は、関連技術の開発を含む、現行の使い捨て型打上げ機の編隊の改良及び発展についての主たる機関である。 |
(d) |
国防省は、統合的な衛星管理に従事し、かつ、自己の確固たる衛星の管理能力を引き続き向上させる。国防省は、政府のあらゆる宇宙活動のための衛星管理の統合及び相互運用性を強化するために、適当な場合には、他の省庁と調整を行う。 |
(e) |
国防長官は、軍事的かつ国家レベルでの諜報情報のための国防省の特殊な要求を定める。 |
(f) |
国防長官は、中央情報局長官と協力して、作戦行動に入っている軍事力を支援するために、必要な場合には、諜報宇宙システムの改良又は増強を提案することができる。国防省は、諜報宇宙システムが国防省に必要な諜報支援を提供することができない場合には、軍事作戦を支援するための宇宙システムを開発し及び運用することができる。 |
(g) |
合衆国は、条約上の義務に従って、宇宙空間における活動の自由を確保するための宇宙管理能力を開発し、運用し及び保持し、指示が与えられる場合には、対峙国のそのような行動の自由を否認する。これらの能力はまた、対峙国の宇宙システム及び役務の敵対的な利用を妨げるための外交的、法的又は軍事的な措置により増強させることができる。合衆国は、合衆国及び友好国の宇宙システムに対する脅威を効果的に探知し、追跡し、分類し、監視し、及び特徴を把握するための宇宙監視及び関連戦闘管理に係る指揮、統制、通信、コンピューター及び諜報を維持し及び近代化し、かつ、合衆国の軍事活動の保護に資する。 |
(h) |
合衆国は、今後10年間の戦略ミサイル防衛能力の向上、合衆国にとっての長距離弾道ミサイルの脅威の出現に対する防護手段としての国家ミサイル防衛展開準備計画、及び立案中及び展開中の防衛システム改良のための選択肢を与える先端技術計画の措置を講ずるために弾道ミサイル防衛計画に従事する。 |
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(7) |
諜報宇宙部門の指針は以下のとおりである。
(a) |
中央情報局長官は、諜報宇宙活動が、対外、防衛及び経済政策、軍事作戦、外交活動、兆候の指摘、警告、危機管理、及び条約の検証を支援するために、情報及びデータを随時提供し、当該部門がこれらの任務に関連する研究・開発を行うことを確保する。 |
(b) |
中央情報局長官は、脅威の状況の変化に対応し、国家の諜報活動の優先事項を支援する先端技術の開発及び応用を継続する。 |
(c) |
中央情報局長官は、世界的な規模の軍事作戦を支援するための諜報宇宙部門の能力を改善するために国防長官と共に密接に作業するものとする。 |
(d) |
諜報宇宙活動の性質、当該活動の成果たる収集情報及び運用上の詳細は機密扱いされる。中央情報局長官は、この保護がもはや必要ないとみなす場合には、当該情報の機密扱いを解きかつ公表するための規定を含む、当該データを適切に保護するための政策を定め及び実施する。 |
(e) |
宇宙システムに帰することができない収集情報は、その内容によって機密扱いとする。 |
(f) |
これらの指針は、画像製品に適用するものではない。画像製品の保護は大統領令12951号(訳者注:宇宙からの国家情報偵察衛星により得られた画像の公表に関係する。)により規律される。 |
(g) |
行政府職員及び契約者による偵察衛星の公的な審議が中央情報局の指針に従っていることを確保するために、厳格な機密保持手続が維持される。行政府職員及び契約者は、安全審査が行われるまで、偵察衛星に関する情報を認知し、また公表してはならない。 |
(h) |
以下の事実は機密扱いされない。
(i) |
合衆国は、諜報収集及び軍備管理協定の監視を含む、平和目的のための衛星による写真偵察を実施すること。 |
(ii) |
衛星による写真偵察は、準同時的な能力を含み、兆候の指摘及び警告、並びに軍事作戦の立案及び実施のための防衛関連情報を提供するために利用される。 |
(iii) |
衛星による写真偵察は、地図作成、海図に記載するデータ及び測地データを収集するために利用される。当該データは、権限を有する連邦機関に与えられる。 |
(iv) |
衛星による偵察写真は防衛その他の地図作製関連活動を支援するための世界的な測地及び地図作製材料を開発するための地図データ、海図データ及び測地データの収集に用いられる。 |
(v) |
衛星による写真偵察は、科学的及び環境上のデータ、及び自然又は人為的な災害に係るデータを収集するために利用されることがある。 当該データは、権限を有する連邦機関に配布することができる。 |
(vi) |
写真偵察の資産は、合衆国及びその領域並びに財産の画像を作成するために利用することができる。 |
(vii) |
合衆国が高空からの信号による諜報収集を行っていること。 |
(viii) |
合衆国が高空からの計測及び記号による諜報収集を行っていること。 |
(ix) |
国家偵察局(NRO)の存在及びその上級職員の名前並びに役職。
諜報宇宙活動に係るその他のすべての詳細、事実及び成果は、中央情報局長官により定められる適切な機密及び安全保障上の管理基準に従う。
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(i) |
国家宇宙政策に定められる宇宙諜報安全政策は大統領のみが許可することができる。 |
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