宇宙法 TOP
目次 巻頭言 凡例 第1章 第2章
第3章 第4章 後書き アペンディクス 索引

第4章 国際協力の推進

 我が国は、宇宙開発の分野において、独自性のある技術の開発や国際的水準の技術力の向上に努め、その成果を世界の宇宙開発の推進のために提供し、我が国の国際的地位にふさわしい国際協力活動を、リーダーシップを持って推進することが期待されている。
 その際、我が国及び協力相手国の国情等を十分に踏まえつつ、互恵性及び双務性の確保等を考慮する必要がある。また、国際協力について、目的と目標を明確に設定し、個々の国際協力を計画的かつ安定的に進めていく必要がある。このため、以下の施策を講ずる。
(1) 情報交換、人材交流、国際共同プロジェクト等の国際協力の一層の促進を図る。このため、必要に応じ、国際協力の枠組みの設定、関係機関における国際対応組織の強化等、所要の体制の整備を進める。
(2) 個々の協力計画の構想段階から、関係国間で協力プロジェクトの進め方、役割分担等について、十分な共通認識をもって進められるよう、意見交換や協議の場を積極的に設けるように努める。
(3) 地球観測・地球科学、宇宙環境利用、宇宙科学等の分野では国際協力によって実施することが効果的、効率的なものが多く、観測システムの共同構築、人工衛星や探査機への各国の観測機器の相互搭載、実験機器の相互利用、観測データの相互利用及び共同研究、情報ネットワークの構築等の協力を着実かつ積極的に進める。
(4) 大規模な宇宙インフラストラクチャーについては、世界全体の宇宙活動を効率化するために、様々な形の国際協力によって開発・運用することが望ましい。したがって、我が国としても各国の状況を踏まえ、個々の宇宙インフラストラクチャーの構築に最適な協力形態を選択しつつ、国際協力を推進する。
(5) アジア・太平洋地城に対しては、その一員として、地球観測、通信・放送、宇宙環境利用等の分野におけるこれらの地域の宇宙開発に対する期待と需要を踏まえながら、宇宙での研究・実証機会の提供、共同プロジェクト研究、人材交流、技術移転等、多様な方法により協力を拡大する。
(6) 国際連合等の国際機関及び複数国が進める国際協力活動、インテルサット、インマルサット等の国際共同事業については、積極的に参加し、相応の貢献を行う。

BACK English